ヒサ先生 | コツブニッキ

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40歳を過ぎたら、20代の頃より人生動いてます。

午前中、長男の小学校で
「ことばの相談」というのに行ってきました。
発達の専門家による(言語治療士)個人面談です。
半年に一度あって、今日は3回目だった。
ヒサ先生は、70代かと思われる女性の先生です。
半年に1回、たった20分の面談なのに
前の様子をちゃんと覚えていて、
ここが前と違う、すごいすごいとたくさん褒めてくれる。

基本、長男とヒサ先生が向かい合って
先生の質問に長男が応えたり、先生の朗読を真似させたり
それを私はじっと、傍らで見ています。
じっくり対面して人と接している長男を見る事は
この時以外にありません。
特殊な状況です。
普段見慣れない様子を観察していると
半年前との差がよく解る。
いつもだったら気付かない事が、ありありと解る。
保護者としてではなく、第三者の視点で見ているような感じ。

視線の合わせ方、質問の応え方、言葉の選び方、表現力、
姿勢、指先の動き、集中力…ちがうちがう、
半年前とは別の子みたい。

ヒサ先生は言語治療士なので、
口の動きを見て発達の状態をつかんでいるようです。
素人の私にはさっぱりポイントが分らないので
適確な事を言われると、
まるで占い師にずばっと言い当てられたみたいな気分で
ビックリすることたびたび。
発音の仕方で発達の様子が解るらしい。
指の力加減で、どこが弱いか解るらしい。

最後ににっこり微笑んで
「すっごくいい子になってますよ。
 外見ではわからないけど
 部分部分で発達してるのが解ります。
 緊張感がなくなって
 悪く言えば“なかだるみ”だけど
 本人に自信がついたって事ね。
 強く言い切る事も出来るようになって。
 気持ちの余裕が出来たのね。
 声を掛ければすぐに目が合うし
 言葉使いも変わったわね、大人になった。
 順調に成長してますよ、いい育ち方です!」って。

全身から緊張の糸がほぐれました。
何を言われるだろうと緊張して、
喉元がこわばっていたのが、ほどけた。
今の私はたぶん誰よりも
半年に一度会うだけのヒサ先生の事を信頼しています。
掛けてくれる言葉にエネルギーがあるのです。
笑顔と、表には出ない言葉で
「この子にはあなたが必要なのよ。
 ちゃんと子供を見ていなさいよ。
 子供はしっかりこたえてくれるんだから」と
背中をばんと叩かれたようで、
しっかりしなきゃ、と、しゃんとする。
ものすごく励まされるのです。
不思議です、別に直接何か言われてる訳じゃないのに。

きっとヒサ先生、今の仕事が「天職」なんだろうなと思う。
先生の言った言葉は適確で、
だから私の中にすんなり入ってきて
どんよりしていた気持ちがスッとクリアになっていく。
不思議と前向きになれるのです、志気が上がる。
そして多分、私がそう感じた気持ちは
先生に還っていってると思う。
そういう「循環」が成立するのが「天職」だと私は思います。
「天職」を探している私にとって
そういう意味でもヒサ先生は眩しい存在です。

私もヒサ先生みたいに、
周りの人に光を射してあげられる人になりたいです。