『シシリエンヌ』を読んで/3 | コツブニッキ

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40歳を過ぎたら、20代の頃より人生動いてます。

恋心は、いずれなくなるのです。
大好きな人への想いが消えるのも恐いし
大好きな人が、自分に興味がなくなるのも恐い。
逆に何もない所から
(例えマイナスの状態からでも)
生まれる愛情もある(これは情と呼ばれる類いの物ですが)。
結婚相手が自分のコトを裏切らないって確証があれば
それより安心出来る物はないでしょう。

一番いいのは、
恋愛結婚した相手に恋心なしでも
家族として安定した存在である事に違和感を持たない、
夫婦としてしっくりくる、ってコトですけどね。
結婚相手に恋愛感情を持ち続けるのは……有り得ない気がする。
お見合い結婚は、私は合理的だと思います。
結婚する相手、として相手を意識すると
恋愛相手とはまた違った距離が測れるのではないか…と。

そんな訳で「恋愛」と「結婚」は違うと思う。
身を切られる思いで毎日、過ごせませんからね。
恋愛期の高揚感と、
結婚してからの安定感に差異があるから、みんな
「え~っ、こんなはずじゃなかったのに……!?」と思って、
離婚しちゃうんじゃないの?
「夫が独身時代と変わった」とか言って。
変わったのは、お互いの気持ちだと思うんですけどね。

やっぱ恋愛と結婚は違うと思う。
“恋愛の行く末が結婚”って考え方、
私にはイマイチよく理解できません。
まぁ…結婚したから、そう考えるようになったんだけどね。

今回読んだ嶽本野ばら著『シシリエンヌ』
フランス映画の『髪結いの亭主』と同じ空気を感じました。
床屋の店内と、蒼いカセットケース
(映画でも蒼いガラス瓶がたしか、あった)。
勝手な印象ですが、
両者のヒロインに通じる想いは一致するように思います。

とにかく『シシリエンヌ』
よかった、ぶっちぎりでオススメ……!

※でも「いきなり」を「いきなし」と
 書いている著者の気持ちが理解出来ません。
 何か特別な意味があるのでしょうか……?
 文章のイメージが、
 そのひとことで台無しになる気がするんだけどな。
 「いきなり」のほうが、音として綺麗じゃないか…?