私は今、主に2つのオープンクラスのスタジオに通っていますが、今回は、W先生・Y先生共に所属しているスタジオからの出演となりました。
パドドゥで出るのは、去年一緒に出た方と今年も一緒ですが、同じW先生がお相手なので、一緒の部ではありません。
私だけ1部、他の人たちは全員4部での出演となりました。
ただ、当日は、パドドゥ組は午前中に舞台で練習できるため、4部で出られる方も早くから来られて一緒に練習でき、心強かったです。
楽屋も和やかで、怖いGたちも離れた楽屋で安心でした。
当日の朝も、いつもと変わらないルーティンをこなすのが、私の心を落ち着かせる一つの方法。
4時起床、いつものエクササイズやストレッチを40分ぐらいしてお風呂に入って、ゆっくり、いつもの朝食をとってから、ヘアメイクして家を出ました。
出る時、娘とハグして、娘からのエールを受け取りました
うまくいかなくても、泣いて帰らないでねって。
私も、今度こそは、うまくいかなくても泣かないと誓いました。
黒鳥は、やはり私には難しかったので、うまくいくことはないとわかっていました。
なので、DVDも買いませんでした。
午前中のゲネも、ものすごく緊張して、広い舞台に吸い込まれそうになり、不安定でした。
もう、ここまで来たら、うまくいかなくても楽しもうと思いました。
この時、多分、私なりの黒鳥になったのだと思います。
今まで、自信がなくて、オドオドして、すみっこに潜むようにしてバレエを続けてきました。
人のいうことを気にして、怖い人たちにビクビクしていました。
ゲネのパドドゥ組には、常連のGたちが順番を控えていました。
でも、その時の私は、なんとも思わなかったのです。
緊張のあまり、それどころではなかった、ということもありますが、黒鳥という役柄に、私なりに入り込んでいたので、気にならなかったのです。
最後の舞台で、私は少し、心が強くなったかもしれません。
アンディオールが抜けたところも、ピケターンでよろけたところも、アチチュードが低くなったり、バランスが取りにくかったところなど、いろいろできなかったことはありますが、私なりの黒鳥を演じきりました。
無事に終えたことはよかったと、周りから言ってはもらえましたが、あまり褒められることはありませんでした。
大人バレエと言えど、バレエはキビシイです
でも、私の中で、いろいろな思いが溢れてきました。
周りから見れば、下手くそな大人の、見苦しい黒鳥だったかもしれません。
けれども、ここまで来るのに、私なりに最大限に努力してきました。
人は、私のことなどわかりません。
先生でも、まさかこれ程脚が悪いとは、思ってないでしょう。
今まで、この脚で、この体で、よくがんばったと、初めて自分を褒めました。
涙が溢れてきました。
コンクールでもないのに、人からの評価など関係ないのです。
まして、先生でもない大人リーナからの低評価など、気にする必要はない、と、自分に言い聞かせました。
大切なことは、自分がどう感じたのか。
自分が好きで始めた趣味だから。
私は…
うまくいかなかったですが、楽しかったと胸を張って言えます。
最後の舞台も涙の舞台となりました。
でもそれは、できなかった悔しさで流した、白鳥の時の涙から、精一杯やり切った、感無量の涙に変わりました。
バレエを始めて10年。
私の舞台は幕を閉じました。
とても濃い10年でした。
私は、もう踊れませんが、夢が叶いました。
辛いこともたくさんありましたが、最後に、強い心を身につけることができました。
応援して下さった方、本当にありがとうございました
実際の花束はもらえなかったけど、
心の花束を贈ろうと思います。
自分に、
そして、がんばっている、大人リーナに。