フェスティバルには子供から大人まで、年齢、演目、ジャンル問わず、誰でも参加できる、バレエ教室の垣根を超えた舞台。
参加費も、お教室発表会よりはるかにお手頃、私のように、パートで働きながら積立しているものにとっては、ありがたい。
結局、男性とのリハーサル料は別なので、それはちょっとかかったけど、それでもなんとかなる金額で、ほっとした。
あくまでも、『フェスティバル』
なので、楽しみたい、と思っていた。
だけど、人一倍緊張するタイプなので、予想通り緊張しまくった
本番は生ものだからね、仕方ないよ、とY先生。
いつも失敗したことがないところでやってしまった
前にも書いたように、ポロポロ泣きながら1人で帰るはめになってしまった
が、その後のこと。
先生方からは、褒められることはあまりなかったけど、唯一、褒められたことがある。
リフトだ。
オデットの、ひっくり返って脚を上に伸ばす、高いリフト。
人前では言えないけど、ここだけの話、私はリフトだけは、得意かも
脚が悪くてジャンプや回転は怖くて固まってしまうのに、リフトの恐怖は全くない。
できない想像がない。
でも、今まで一回だけ怖いことがあった。
ブルーバードの最後の、シャチホコ肩乗りリフト。
お相手も私もバレエ歴が浅く、パドドゥ初めて、リフトも当然初めて、そりゃ、怖いはずだ
何度も練習して、成功率100%だったのに、本番でタイミングが合わなかった
この見せ場で失敗してたまるものか、と、私も思ったし、お相手も気持ちは同じだったと思う。
なんとか成功し、最後は2人共、満面の笑顔で写真に残っている。
リフトの不安を思ったのはそれが初めてだったけど、その後の海賊と今回の白鳥は、お相手が先生(違う先生だけど)なので、不安は全くなかった。
人に褒められること自体滅多にない私だけど、リフトだけは、何人かの先生にも褒められた
あれって、W先生のお陰よね。
あの人、まともに踊れないくせに。
確かにそう。
それは、本当。
でも、だから、なんだというのか。
先生方には感謝しきれないぐらい感謝している。
まともに踊れない下手くそな私のサポートは、大変だったと思う。
ただ、そんな傷つくコメントは、できるなら耳に入れたくない。
発表会後は毎回そんなコトバが飛び交うので、いつも私はそんなコトバを聞くことがない、穏やかなビギナークラスに身を置くのだ。
失敗したと嘆いた舞台。
しばらくして、写真の注文があった。
涙が出た。
写真の私は、思ったよりずっとよかった。
そして、お相手の先生、こんなにアイコンタクトしてくれていたんだ。
まさにオデットだった
見に来て下さった方の、ものすごく嬉しいコメント。
白鳥で終わろうと思っていた。
叶うとは思いもしない夢だったから。
もし、まぁまぁの出来だと思っていたら、これが最後の舞台になるはずだった。
だけど、うまくいかなかったこともあり、夢の続きを見たくなった。
来年、夢の続きを見る。
今度の演目は、うまくいかなくて当たり前。
みんなに笑われても、悪口言われても、気にしない(ようにがんばる)
脚も限界が来ているので、泣いても笑っても、最後。
白鳥の湖第二幕の続きは…
第三幕