その背景とは新聞社である。
結局新聞社もインターネットに流れにのって、ホームページの立ち上げなどもしているが、なかなか採算が取れていないのが現状。どんどん新聞離れが進む中、新たな収益を見出さないといけない。その切り札となるのがキンドルを筆頭とする電子書籍なのかもしれないという。
自分が一番気になったのは、日本メーカーのソニーやパナソニックもかつて電子書籍に取り組んでいたことは知っていたが、そういったハードメーカーが市場を取ることが出来ず、アマゾンというソフト部分を持つ企業が電子書籍の流れを作っているということである。
これはアップルのiPodにも言える。iPodもiTunesというソフトがあったおかげで、CDからデジタル音楽へと時代を切り開き、その立役者として爆発的に売れた。
よくよく思い出してみれば、昔ソニーはベータマックスという機能では勝る録画装置を作った。しかし市場をとったのはソフトウェア(つまり映画タイトル)を充実させたビクターのVHSであった。そしてソニーはこの時の教訓を生かし、音楽会社や映画会社といったソフト会社を傘下におき、ソフトウェアの充実化をはかりCDプレイヤーをヒットさせた。
きっとその時と同じようなことを続けていればソニーも勝てていたなかもしれない。
時代は繰り返されるとはよく言ったものだとつくづく思う。
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目次
第1章 キンドルの衝撃
第2章 アマゾンという会社
第3章 米メディア危機と生き残り戦略
第4章 キンドル配信に力を入れる米国新聞社
第5章 メディアを変える
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