成果のあがる情報を見きわめ、フォーカスできるのか?
この本はケネス・ブランチャードの『一分間マネジャー』と同じような物語式のビジネス書です。業績が悪化している米国の大企業エックス社を回復させるために役員会から選任され、外部からCEOとして着任した主人公のブライアン・スコット。彼は業績回復のためにまずは社内の情報収集に着手。しかし出てくる情報は山のようにあり情報洪水に押し流されている状況。そんなときインフォマンと名乗る謎の人物が「情報洪水問題を解決するお手伝いができます」ということで登場。スコットはインフォマンから「3枚の1ページ・リポート」を教えてもらいます。その結果、エックス社は見事業績をV字回復させるという物語です。
では、その3枚の1ページ・リポートとは?
文中では①フォーカス・リポート ②フィードバック・リポート ③マネジメント・リポートと呼ばれていますが、
わかりやすく言うと、
1枚目は自己の目標管理達成シート
2枚目は1枚目の結果を表したシート
3枚目はマネジャーが管理するために部下の2枚目のシートをまとめたシート
になります。
1枚目のフォーカス・リポートはか自己啓発に通ずるところがあります。よく自分の夢を叶えるために以下のことを行います。
①自分の夢を定義する
②夢を達成させるために、目標を数値化する
③今現在と目標との差を認識する
この本では、それに目標数値を3段階に分けることを教えてくれます。
①ぎりぎり目標 → 期待できる、できない目標の境目(95%)
②納得目標 → 究極の目標に着実に近づいていると実感できる(97%)
③エクセレント目標 → 一連のステップを着実に重ねることではじめて到達できる目標(99%)
これがこの本の一番のポイントだと思います
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目次
序文――ケネス・ブランチャード
真にエクセレントな成果を約束
本書は情報咀嚼の「歯」である
「一ページ」は現代の共通コンセプト
はしがき――著者より
リアズ・カデム&ロバート・ローバー
成果のあがる情報を見きわめる手法
意思決定の切り札を示す不朽の知恵
1 変革への闘争――新社長スコットの初出勤
2 どこがどう悪いのか、それが問題だ
どうして、こうもうまくいかないのか?
製造役員の苦しい弁明
一方、販売役員は……
情報責任者登場
「冗談じゃない! 今週中に何とかならないのか!」
社員をきちんと知るためには
「その情報すべてを私からですか?」
3 変な手紙
4 データが多過ぎ!――情報洪水をどう克服するか
これじゃあんまりだ!
デジタル情報も役立たず
こじあける「てこ」はどこにある?
謎の手紙、再び――いったい何者なんだ?
謎の男インフォマン、現る
「まず私の質問に答えてください」
5 一ページ・リポートを三枚つくれ!
「真実は自ら見いだせ」
どうして魚は溺れないのか?
マネジメントは紙切れ一枚でできる!?
三枚の一ページ・リポート
必要な情報が自動的に手に入る方法
6 V字回復への道
成功ドメインを確定せよ
成功ファクターを確定する
超・成功ファクターを探せ!
よい情報が成功への王道
個と組織が一致するとは限らない
7 成功への秘伝――「四つのシンプル・ステップ」
関係者はみんな「お客様」
関係を明確に分類・整理する
「超・成功ファクター」の「今現在」
8 フォーカス・リポートはこうしてつくる
超・成功ドメインのリスト
真に必要なのはたった三つ
「ぎりぎり目標」「納得目標」「エクセレント目標」
難しい目標ほど着実なステップが必要
超エクセレントな目標を達成しよう!
いさ、V字回復へ
正しい方向に顔を向けているか?
方向性評価項目をつくれ
厳守! 報告書は一ページ以内
9 変革に至る茨の道
手をこまねいて見ているわけにはいかない
仕事がなくなってしまう!?
V字回復の切り札
まったくもって時間の浪費
10 なすべきことをなせ!
相変わらず溝は深い
「あいつはばかだ!」
新命令のつめあと
君まで何を言うんだ!
焼き加減の違うステーキ
黄金律――ボールを持つ者がルールをつくる
これにはきっと何かがある
いよいよフォーカス・リポートづくりに着手
11 あなたにしかできないことを洗い出す
誤った自信
想像以上の優れもの
「なぜ二枚以上あるのでしょうか?」
その人独自のものとは何か?
「あなたのお仕事は必要だとお思いですか?」
自分にしか実現できない独自の価値
12 どうフォーカスするか?
紙切れ一枚のための大奮闘
世界で一枚のリポート、完成!
パーフェクト!――V字回復の道具を手中に
甘い基準では役に
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◇3枚の1ページ・リポート
①フォーカス・リポート →何をなすべきかに関して「てこ」となる情報
②フィードバック・リポート → 何なすべきかに関する「よいお知らせ」と「悪いお知らせ」
③マネジメント・リポート → 社員がなすべきことに関する「よいお知らせ」と「悪いお知らせ」
◇フォーカス・リポート
以下の3つを書く
①成功ドメイン → 成功の定義
②成功ファクター → 目標(重要な物をだけを選び出し、それを「超・成功ファクター」と呼ぶ)
③今現在と目標とを比較する
なお『超・成功ファクター』を定義するためには4つのシンプル・ステップがある
①自分にとって大切な人間関係(お客様)を知る
②いくつかの観点から自らの「成功ドメイン」を確定する
③各成功ドメインのなかから「超・成功ファクター」を見定める
→成功しているとわかるときの関係とはどんなものか?
④「超・成功ファクター」の「今現在」をどこに見いだすかを決める
・「優れた成果は明確な目標から始まる」
・上司独自の超・成功ファクターが確定できなかったら、それは上司の仕事自体が不要という明確なメッセージ
◇フィードバック・リポート
フォーカス・リポートの納得目標をベースにし
納得目標より上の着地なら「よいお知らせ」 →目標達成おめでとう!!
納得目標より下の着地なら「悪いお知らせ」 →問題あり、根本的な解決策を考えるべき
に分ける
◇マネジメント・リポート
集めたフィードバック・リポートを以下の1ページのマトリクスに分ける
①間接管理下の部下のプラス
②間接管理下の部下のマイナス
③直属の部下のプラス
④直属の部下のマイナス
そうすることで、傑出した成果をあげているところを発見することができる。
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■最後に、自分はどう変わるのか?
フォーカス・リポートを作ってみる