乳癌と診断がついたら、治療をどこでするのか、これを短時間で決めなければいけません。

治療をする場所はとても大事です。
乳癌は手術して、はい終わりではなく、再発のリスクが高く、長い長い戦いになるそうです。

良い病院が東京都にある。
知っている先生がいる。
こういう治療方法がある。

乳癌になって、周りの方は皆さん、どうにかイスコを助けようとイスコ以上に調べてくれました。本当に有り難いことです。

イスコがまず、考えたのが、
早ければ年内に手術ができる病院が良い。
長い治療になるので、
比較的家から近いところが良い。
全摘出を希望するので、
同時再建ができるところが良い。

というものでした。

なんとその希望がすべて叶うのが、金曜日に診察をしてくれた男性のK先生でした。

しかも病状、検査結果、今後の治療など細かく説明してくれて、この先生なら任せられるという安心感を与えてくれるような素敵な先生でした。

同時再建を希望したのは、子供におっぱいがなくなっちゃった事への説明をする自信が無かったこと。そして何より自分が耐えられる自信が無かったこと…が理由です。

もう先生のお話を聞いた時点で、ほぼK先生のいる病院に行こうと決めていました。

でも、ひとつだけ…どうしても聞きたかった事がありました。

前回のブログにも書きましたが、イスコの姉のハユミさんは医師です。
姉の医大時代の先輩であり、研修医時代に指導医をしてくれた恩師で乳腺の専門医をしている女医さんがいらっしゃるとの事でした。ハユミさんが連絡を取ってくれて、お忙しい合間をぬって、診察をしてくれると言われていました。
そして診察をしてもらった日は午後からその先生へ会いに行く予定をしていました。
ハユミさんもK先生は良さそうだから、イスコが良いなら、知り合いの女医さんは断ろうか??と言われました。
私もほぼK先生で…と思っていたので、どうしようか考えましたが、セカンドオピニオンもかねて、会いに行くことにしました。

家からは少し離れたところの病院になりますが、わりと大きな病院でした。

今回は急に無理やりアポイントをいただいています。
本来きちんと予約を取って診察を待っている患者さんの隙を見て診察をしてもらうことになっていました。
申し訳ない気持ちになりながらも何時まででも待ちます…と受付で伝えました。

一時間程待って名前が呼ばれました。
若くて綺麗な女医さんでした。
午前中の診察でもらった検査結果やエコーのデータなどを渡して、説明を受けます。
全摘出の後の治療と乳房再建
部分摘出の後の治療
丁寧に丁寧に説明してくれました。

そしてイスコがどうしても聞きたかった事。そうです。妊娠ができるのか…ということです。
贅沢なものです…3人もいるでしょう!
若年性乳癌の方の多くは子供はひとりもいない人ましてや結婚だってしていない人もいる中で…そう言われても仕方がないイスコです。
でも、イスコの子供は3人とも女の子です。男の子がほしかった…
もちろん女の子も欲しかったです。どっちかしか授かれないと言われたら、迷わず女の子を選んだと思います。本当に生きるか死ぬかの瀬戸際でと、ハユミさんからも怒られました。

H先生は「手術後の治療中は薬の影響で赤ちゃんに奇形が出る可能性があるから、治療中の5年間は難しい…
でも、治療が終われば妊娠しても良いんですよ。でも、授かるかどうかは…神様が決めることだから…」と言ってくれました。
5年後、イスコは39歳です。子供を産むにはけして若い年齢ではありません…
そして昨年末に流産もしています。
年齢的にも難しいのかもしれません…
でも、可能性があるのとないのとでは全く違うのです。
5年後…そのときの自分が、まだ子供が欲しいと思っていたなら…その可能性がなくならない限りは、許されたいと思ったのです。

そして、同時再建…
やはりH先生は同時再建はやっていないとの事でした。
何故か…
同時再建は乳房の摘出と同時に再建もする。患者さんは1度に二つの事を考えなくてはいけない。冷静な判断ができるとは思えない状況で、ずっとこれから自分のものとしてもっていくおっぱいを作ってしまって終わってから後悔したら…という思いがあるから…と

もっともだと思いました…。

手術も治療も、先生への信頼と安心と自分の納得がないとどこかで不安や不信や後悔に変わります。

もし子供を諦めてと言われて従って、他で乳癌治療後に子供を産んだ人がいると知ったら、きっと後悔するでしょう…

イスコはこの時点でかなり揺らいでいました…