出勤したり休んだり

駅までの帰り道はいつも涙があふれた

本当にもう限界だと思った

今思い出しても身体がきゅーっとなる

 

あのヒトに言われてたこと やられてたこと

 

出勤したときはちゃんと仕事する 忙しい

上司は話しかけてこない

部下がこうなってしまったことを認めたくないかのよう

 

社外カウンセラーに相談するも 何も解決せず

こんなとき御用組合に相談したら

もっと悲惨なことになりそうで ひとりで抱えた

 

結局、願った異動もできず

年度変わりだというのに 何をしていたのやら

あまり覚えていない

 

4月になり上司が替わった 

2021年度の始まり

それまでの上司はいろいろ不手際不始末があり

その役を解かれた 私は何も感じなかった

 

上司のさらに上の部長も替わった

初朝礼の日、私は休んでしまっていて

顔もよくわかっていなかった

所属人数が多いので 別に目立つこともない

そのまま日は経っていった

 

新しい上司は既知のひと

昨年度のこと ある程度は知っているらしかった

出勤したり休んだりしている私のことを

どうしてよいかわからないでいるようだった

 

4月半ば、部長からメールが来た

「一度お話しませんか」

誰かから私のことを聞いたらしい

高層ビルの事務所で時間を作ってくださった

お礼とご挨拶の後、この一年の話をした

 

「そんな嫌なところに行かなくていいですよ」

「そこまでされて、我慢する必要はない」

「それはね、パワハラっていうやつです」

 

今まで辛くて辛くて仕方なかった場所への出勤がなくなった

 

「この事務所でもできる仕事、やってもらいたい仕事はあります」

「辛かったですね、相手のことはちゃんとヒアリングして処置しますから」

 

翌週から出勤場所が変わった 所属は変わらなかったが

会社への行き帰りに泣くことはなくなった

 

私、そんなに辛かったんだ、と改めて認識した

 

今までと違う事務所

仕事内容は、今までの業務プラス諸々・・

その状況、環境に戸惑いつつ

「いいのか?これで」と思いつつ

部長の勧めで心療内科へも通った

 

「たくさん有休あるんですから、休んでもいいし」

「出勤したいと思ったら来ればいいし」

「辛くないほうにしてください」

「僕もね・・同じようなことがあったからわかります」

 

そうだったのか

気にかけていただき有難うございます

 

いろいろ考えたが

周りへの迷惑もかえりみず

出勤場所に関しては甘えさせてもらった

 

ただ、長期で休んでしまったら

もう会社に来られないような気がして

とにかく様子見つつ出勤することにした

 

同じチームのひとたちは

今になって「何もできなくてごめんなさい」と・・

確かに皆見て見ぬふりだったかも

 

いや、戦力外になって、迷惑かけてしまうのに

こちらこそごめんなさい、だ

 

申し訳ない気持ちを抱えつつ

人の少ないオフィスのフリースペースで

毎日パソコン仕事をした

あちこちから頼まれることは多く

私のスキルでも何とかなった

 

それに、毎日出勤できていた

まともになったようで嬉しかった

 

部長のはからいに報いるように

給料泥棒と言われないように

とにかくちゃんとやろうと思った