お墓を開けた(こういう表現で良いのか)

 

もちろん石材店さんにすべてを頼んでいる

 

当日は小雨 晴れの合間の雨模様

 

雨女だった? それとも「まだいやよ」の訴え?

 

私だっていやだよ 離れたくない

 

石材店さんに呼ばれる「ちょっと見ていただきたい」

 

覗き込むと父の骨壺 こんな色だったか

 

「下のほうにヒビがあるんです」

 

ほんとだ 結構大きめ、長めのヒビがある

 

「よくあることなんですけど・・震災の影響だと思います」

 

「骨壺の数が少なくても揺れますし」

 

「多くても他のとぶつかりますし」

 

そうなんだ・・よくあるんだ・・知らなかった

 

確かに3.11の震災の後、お墓の様子は確認に来たけど

 

倒れていなくて良かった、と安心し

 

中のことにまでは思いが至らなかった ごめんなさい

 

石材店さん曰く

 

「震災後、お墓を開けたら骨壺が全壊なんてこともありました」

 

全壊は悲しすぎる・・遺骨はどうなってしまうのだろう

 

父の故郷は岩手の久慈 震災の被害が大きかった場所

 

親戚は皆無事だったが長期間連絡が取れなかった 心配だった

 

親戚と言ってもほとんどが代替わりしているし

 

遠方のため普段から行き来はしていないが

 

お父さん、皆と同じように揺れていたんだ

 

私たちとも同じように揺れていたんだ

 

ひとりで怖かったね ごめんね

 

家族と相談し 遺骨の移し替えを決めた 

 

お墓を建てたときと同じ石材店さんの二代目?三代目?

 

どうやら営業さんと職人さんを兼ねていらして

 

「お父様の納骨のときは、私も仕事させていただきました」と

 

当日いらしたとは気づかなかった 失礼してしまった

 

同クラスの骨壺を見繕って連絡くださるそう

 

それにしても驚いた 震災の爪跡がこんなところにも

 

いろんなことが いろんな意味で まだまだ終わっていない

 

 

 

小雨の中で聞くお経 

 

ただただ悲しく 苦しく切なく

 

また涙があふれ出てきた 止まらない

 

美しい桜の柄の入れ物が なお悲しい

 

もう一度会いたくて ここを開けたくて

 

父の遺骨の移し替えを頼んだのかもしれない