野良猫は

自由気儘にノンビリ暮らしている、と思っている人も多いけれど

実は毎日がサバイバル。

人間の近くで暮らしている為

交通事故に遭う確率も高いし

田舎では

いつ野生動物に襲われるか分からないし

北国では

マイナス20度の極寒にも耐えなければならないので

あまり人に頼らない生粋の野良猫だと

寿命は3〜5年程度、

充分なエサをもらえている地域猫ですら

寿命は飼い猫の半分程度になるそうだ。


過酷な生活をしているのだから

安定したエサ場があるのなら

仲良く縄張りを共有して

少しでも平和に暮せばいいのに、と思うのだけど

大抵の猫は本能に逆らえず

縄張りをめぐってケンカになる。

特にオス猫同士の場合は

相手が降参しても

縄張りから出ていくまで攻撃を続けることがあるので

まさに血で血を洗う死闘になることも。

自分の縄張りや子孫を守る為

メスよりも体が大きくて

高い攻撃力を備えているとはいえ

オスの生きる道は厳しいのだ。


そんな厳しい世界で生きるオスには

二通りの生き方がある。

一つは

戦い続けて勝ち続けること。

この生き方を選べば勝ち続ける限り

エサやメスだけでなく

縄張りの中で自由に生きる権利も手に入れることが出来る。

だが負ければ全てを奪われ

更に怪我などで命を落とすこともある。

この生き方を選んだモジャは


かつてボスとして君臨していたが

ケンカで大怪我をしてボスの座を追われ

後ろ足が不自由になったけれど

若いオス猫たちが次々とボスの座をめぐって

互いに潰し合いが起こり

今は強いオス猫がいなくなって

再びこの地域のボスに返り咲いた、という

数奇な道を歩んでいる。

そんなモジャと正反対の道が

ひたすら逃げ隠れして生きていくという道で

この道を選んだのが2号。


子猫の頃から優しくて気が弱かった彼は
戦うことよりも逃げることを選び
見つからないように我が家に来ては



常にビクビクしながらエサを食べている。
こんな2号を見て
情けない、と言う人もいる。
モジャのように
戦って雄々しく生きるのは
勿論格好が良いけれど
後ろ足を引きずるモジャを見ると
他の人から
どんなに情けないと思われようと
戦わない道を選んだ2号の利口さを褒めたいと思う私なのでありマス。