キャットタワーを置こうと思っていた場所に
母が二つ目の鏡台を置いてしまったので
私は夢だったキャットタワーの購入を諦めた訳だが
家が広くなり家具も増えたおかげで
猫たちはキッチンの棚やらテーブル&椅子やらを
キャットタワー代わりにして遊んでいるので
結局キャットタワーを買わなくても
存分に楽しんでいるらしい。
家具だって押し入れだって
彼らにとっては立派なキャットタワーなのだから
買わなくて良かったのかも、と今は思っている。
しかしこの押し入れは
買いだめした猫のエサが満載なので
こつぶがここに上がった時は
常に監視しなければならない。
こつぶは
お腹がすいている訳でもないのに
片っ端からエサの袋に噛みついて
悪戯するクセがあるからだ。
山ほど買い込んだ猫のエサを
全滅させられる訳にはいかないので
ここを解放するのは私が休憩中の間だけ。
そんな限定があるせいか
こつぶはここが大好きなのである。

ちなみに
以前住んでいたボロ団地の時には
猫の水呑場として大人気だった棚の上には
今は一切あがらなくなったので
私の部屋に飾ってあった歴代の猫たちの写真を置き
あのお猪口は
本来のあるべき姿のお供えになった。
これであの世に行ってしまった猫たちも
やっとゆっくり水を飲めるに違いない。
引っ越してからもうすぐ1ヶ月。
こうやって
猫も人も新居に馴染んできた今
キャットタワーを諦めた私は
秘かに
ニャンコ先生の巨大ぬいぐるみの購入を企んでいる。
主様の黒ニャンコもセットで買うつもりなので
巨大なニャンコぐるみは二匹だ。
以前のボロ団地では
狭くて置けないから、と諦めていたが
この新居なら置ける。
そう思うとストッパーが外れてしまった。
あの母が
巨大ニャンコぐるみを見たら
きっと今までになく怒り狂うだろう、と
わかっていても
この誘惑には勝てそうもないのである。