最近こつぶは
庭で佇むノラさんに寄っていき
ノラさんの毛づくろいをしようとしたり
遊ぼう、と誘う素振りをするようになった。
今までずっと
ストーカーのようにつきまとうノラさんを
冷たくあしらったり
時には猫パンチを食らわし
シャーシャーと威嚇をしてきたのだが
ここにきて
ノラさんの一途さにほだされ
自分からノラさんに近づくようになったのだ。
やっとノラさんの想いが届き
これで二匹が仲良くなって万々歳だ!!と
思っていたのだが…
どうやらノラさんは
突然の変化に
戸惑いを感じているようだった。


いつもなら
寝ているこつぶに忍び寄るだけで
こっちに来るなぁぁぁ!!と怒られるのに
今日のこつぶは
寝ていたノラさんの傍にやって来て
寝始める。
そんなこつぶの様子にノラさんは
私どうしたらいいんですか?
と言わんばかりの表情をしていた。
今までの激しい拒絶を考えれば
ノラさんの戸惑いも当然かも知れない。

こつぶはかなり複雑な性格なので
5年以上飼っている私でも
その心は読めないことの方が多い。
母なんて
未だにこつぶの心が全く読めないから
いつ噛みつかれるか、とビクビクして
こつぶを抱き上げることも出来ないくらいだ。
そんな複雑なこつぶを
新参者のノラさんが
理解出来るはずもないだろう。
今は戸惑いしかないだろうけど
とりあえず
こつぶの心の扉が半開きになってきた、と思って
素直に喜んでいいと思うよ、と
ノラさんに言い聞かせる。
ただしこつぶは
心を許した相手であっても
容赦なく本気噛みするから
愛されていると自覚した後も
警戒は怠らないように!!と
付け加えたのは言うまでもない。