虹に誓ったリベンジ | 個と全体のエンドレスワールド

虹に誓ったリベンジ

2015年 8月上旬 Havana,Cuba

 

7月末より僕にとって大きな問題に頭を悩ませていた。

 

キューバでは通常どこの国でも使えるサービスが規制されていることがある。

自分のウェブページのWixも使えなったが、

僕が映像の編集で使っているAdobeのプログラムの更新が

出来なかったことはかなり深刻な事態だった。

 

キューバの外に出なければ編集が出来ない。

僕は絶望していた。

 

それに加えて先日の現金とSIMカードを盗まれた事件である。

サンティアゴ・デ・クーバ行きもやめることにした。

(2010年に行ったことはある)

 

アメリカ大使館がオープンする8月13日、それを撮影したら出ようと決め、

Interjetのオフィスで8月15日メキシコのカンクン行きのチケットを購入した。

 

その数日後、チエ先生の誘いで

世界的に有名なフルーティスト、マラカのコンサートをみんなで観に行くことになった。

 

チエ先生とアヤさんとみさちゃん親子、文屋宗先生。

僕らはステージに最も近いテーブルに座った。

 

「アメリカ大使館のオープンを見届けて、8月15日にメキシコに戻ることにしたよ。」

「そっかぁ、トシくんもついに行っちゃうんだね・・・」

「何より編集出来ないのは辛いけど、ここ一連の出来事に疲れたってのもあるけど。」

 

マラカのコンサートが始まった。

アメリカでも中々チケットは取れないと聞いたことがある。

そんな世界的に有名なアーティストを僕はいつもの精神で

”勝手に撮影、勝手に編集、勝手にアップロード”させてもらった。

 

 

 

最高の芸術が身近にある。

このコンサートもいつも通り10ドルで観れる。

それがキューバのいいところだ。

 

しかし、何もかもアグレッシブな環境に疲れていたのも確かだ。

穏やかなメキシコが恋しかった。

 

8月13日、アメリカ大使館があるマレコン沿いで

アヤさん、アレクシィ、みさちゃん、宗くん、

そしてそのころアヤさんたちの家に引っ越してきたエリカ、というイタリア人と合流した。

 

米大使館前は多くの主にアメリカ人と思われる人々でごった返していた。

僕らはアメリカ国旗が掲揚されるのを見届け、帰りにエリカお勧めのピザを食べた。

イタリア人のお勧めとあって期待してしまったが、やはりキューバのピザだった。

 

翌日、チエ先生宅にいつものメンバーで集まり、お好み焼きを作った。

お酒を飲みながら他愛のない会話をしていると、

不意に激しいスコールが来てベランダから浸水するのをみんなで協力して防いだ。

スコールは小1時間ほどで止む。

 

チエ先生の部屋はマレコンを臨む高いマンションの上の方だった。

いつもそこからの景観を見ることを楽しみにしていたが、

誰かがそこに七色のアーチがかかっているのに気付いた。

 

 

やりたいことが全て出来たわけじゃない。

自分の行動力や力量は到底満足のいくものではない。

今回はこれが限界、でもいつかリベンジしてやろう。

 

虹を見ながらそんなことを考えていた。

 

翌日、みんなはビーチに行く前にわざわざ僕に会いに来てくれた。

暮らすのに決して快適とは言えないハバナを楽しく生活出来たのは、

紛れもなく彼らが居てくれたお陰だった。

 

特別な場所で過ごした 特別な時間

 

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