2024年全日本フィギュア、男子シングルは鍵山優真選手が初優勝。有力選手のジャンプのミスが多かった印象ですが、鍵山選手はしっかりと実力を出してきたなあと思います。そして2位にジュニア王者の中田璃士選手、3位は壷井達也選手が入りました。壷井選手はまさか表彰台とはと驚きましたが、表彰式に出てきた時とても嬉しそうで、こちらも嬉しくなってしまいました。

 

競技結果(JSFページ)

 

◆1位 鍵山優真

297.73(FS:205.68 SP:92.05)

SP、後半の3Aの転倒だけが残念!前半の4回転ジャンプは素晴らしかったです。

FS、冒頭の4Fが凄すぎました。高さもあり着氷も綺麗。GOE4.71と凄い加点です。その後のジャンプもどんどん決め、後半は少し乱れるところもありましたが全体的には文句なく全日本王者の演技でした。

 

FS:ジャンプ構成

前半:4F 4S 4T3T 3A1Eu3S

後半:4T 3A 3F2A

 

 

◆2位 中田璃士

263.99(FS:173.68 SP:90.31)

昨シーズンの世界ジュニア2位、今シーズンの全日本ジュニア1位、ジュニアGPファイナル3位という超期待の若手選手です。SP、FS共に4回転を跳び、決めてきました!昨年の全日本17位から一気に2位表彰台です。スピンやステップ、表現も素敵です。勢いがあって、今後がとても楽しみです。

 

FS:ジャンプ構成

前半:4Lo 4T 3A1Eu3S 3A

後半:3F2A 3F2T 3Lo

 

 

◆3位 壷井達也

247.31(FS:173.37 SP:73.94)

SPではミスが出て14位スタート。FSは冒頭の4Sがオーバーターンになりましたが、その後の4Sは綺麗、他のジャンプも良かったです。ステップも圧巻!NHK杯で会心の演技だった「道化師」。今回も魅せてくれました!もう壷井選手の代表作と言っても良いのではないでしょうか。

 

FS:ジャンプ構成

前半:4S3T 4S 3A 3A1Eu3S

後半:3Lz2A 3Lo  3F

 

 

◆4位 織田信成

234.68(FS:150.15 SP:84.53)

今の時代に織田選手が全日本で見られるとは!SPのマツケンサンバは盛り上がりましたね。FSの4Tは転倒でしたが、その後は大きなミスはなし。膝の柔らかさ、柔らかな着氷は健在、軽やかな滑りは、本当に37歳!?と驚きです。

 

 

◆5位 友野一希

233.95(FS:144.23 SP:89.72)

SPは3位。独特のリズムの友野選手ならではのプログラム、とても良かったですが後半の3Aがステップアウトしたのだけが残念!友野選手本人もキスクラで点数見た時に「もったいない!」と言っていて、解説の宇野昌磨さんも残念がっているような様子でした。

FS、期待していましたが、冒頭の3つの4回転決まらず。スピン、ステップは友野選手らしさが出ていて素晴らしかったのですが…。

 

 

◆6位 三宅星南

233.49(FS:158.33 SP:75.16)

FS、冒頭の4Sは成功。2本目の4Sは2回転に。ただ、それ以降のジャンプはしっかり決めてきました!「タイタニック」のヴォーカルに合わせた感情のこもったステップがとても良かったです。

 

 

◆7位 佐藤駿

230.80(FS:148.90 SP:81.90)

SP、FS共にかなりミスが出てしまいました。特にFSはジャンプの転倒、ステップアウトが多く観ていて少し辛かったです。それでも4T3Tはしっかり跳んでいましたし、後半のステップは以前の佐藤選手より表現力が増しているなと感じられるものでした。キスクラでの気落ちした様子に心が傷みました。世界フィギュアに出られれば、是非そこでリベンジを!

 

FS:ジャンプ構成

前半:4Lz<<(転倒) 4Fso 4Tso 4T3T 

後半:3A1Eu3S<<(転倒) 3A 3Lo2A

 

 

◆8位 三浦佳生

230.09(FS:141.22 SP:88.87)

佐藤選手に続き三浦選手もFS、かなり崩れてしまいました。前半は4回転なし、後半で鉄板の4T3Tを跳んだのはさすがでしたが、その後の4Tは転倒(しかもザヤックルールに引っかかりノーカウント…)。左太ももに不安があったようです。しっかり怪我を治して来季、また強い三浦選手が観られるのを期待しています!

 

FS:ジャンプ構成

前半:3Aso 3T 2S 3A1S* 

後半:4T3T 4T*(転倒) 3Lo2A

 

 

◆9位 島田高志郎

224.04(FS:150.84 SP:73.20)

FS、転倒でしたが冒頭4Lzに挑戦してきて「おおっ!」と思いました。島田選手の「死の舞踏」、振り付けが好きなのですがこれで見納め…でしょうか。

 

 

◆10位 山本草太

217.09(FS:136.99 SP:80.10)

FS、ジャンプのミスが目立ちましたが、曲の盛り上がりに合わせたイーグルからのフライングキャメルスピンは見ごたえがあり素晴らしかったです!後半のステップ、宇宙の壮大さを感じました。

 

GPファイナル2024、ペアはドイツのミネルヴァ・ファビアン・ハーゼ/ニキータ・ボロディ組が優勝、三浦 璃来/木原龍一組は2位に入りました。

 

アイスダンスはアメリカのマディソン・チョーク/エヴァン・ベイツ組が昨年に続いての優勝となりました。

 

競技結果(ISUページ)

 

ペア

 

◆1位 ミネルヴァ・ファビアン・ハーゼ/ニキータ・ボロディン(ドイツ)

218.10(FS:141.38 SP:76.27)

SP、FS共に安定していましたね。FSの重厚感ある滑り出しからのトリプルツイストは迫力ありました。若干ジャンプの乱れはありましたが、それが気にならないほど全体の流れが良かったです。気迫のこもった表情も良かった!

 

◆2位 三浦 璃来/木原龍一

206.71(FS:130.44 SP:76.72)

FS、3連続ジャンプのミス、スロー3Loの転倒、スロー3Lz着氷の乱れなどあり点数は伸びませんでしたが、その他のスピンやリフトなどの要素はとても良かったです!スピード感も凄い。アディオス、とても好きなプログラムなので世界フィギュアでパーフェクトな演技を観られるのを期待しています。

 

◆3位 アナスタシア・メテルキナ/ルカ・ベルラワ(ジョージア)

205.78(FS:133.52 SP:72.26)

2024年の世界ジュニア優勝者。シニア上がりたてとは思えない貫禄です。長い手足での大きな演技、リフト、ジャンプ共に迫力がありました。表現面も素敵でした。

 

◆4位 サラ・コンティ/ニッコロ・マチー(イタリア)

200.06(FS:129.57 SP:70.49)

 

◆5位 エリー・カム/ダニエル・オシェイ(アメリカ)

198.26(FS:129.35 SP:68.91)

 

◆6位 レベッカ・ギラルディ/フィリッポ・アンブロジーニ(イタリア)

181.52(FS:115.72 SP:65.80)

 

 

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アイスダンス

 

◆1位 マディソン・チョーク/エヴァン・ベイツ(アメリカ)

219.85(FD:132.12 RD:87.73)

もう強い!の一言。マディソン選手の目力が凄い。FDの打楽器にぴったり合った圧巻のステップが素晴らしすぎて目が離せませんでした。

 

◆2位 シャルレーヌ・ギニャール/マルコ・ファブリ(イタリア)

206.11(FD:122.99 RD:83.12)

FD、ロボットの動きを表現した独特の振り付けが面白かったです!

 

◆3位 ライラ・フィアー/ルイス・ギブソン(イギリス)

205.18(FD:122.87 RD:82.31)

FD、しっとりした曲調から始まるしなやか演技。後半はビヨンセの「Crazy in Love」に入ってからのステップ、リフトでの盛り上がりが凄かったです!

 

◆4位 マージョリー・ラジョイ/ザカリー・ラガ(カナダ)

199.84(FD:122.11 RD:77.73)

FD、曲の盛り上がりに合わせた力強いステップがいいですね!ヴォーカルの迫力に身体の動きが負けていない心に来る演技でした。

 

◆5位 パイパー・ギレス/ポール・ポワリエ(カナダ)

199.27(FD:127.12 RD:72.15)

昨年のファイナル3位(一昨年は1位)、世界フィギュア2位のカップル。今年も期待の2人でしたがRDで男性側に転倒があり、6位スタートとなりました。FDでは2位だったのでRDのミスが本当に痛かったですね…。でも気品ある所作、重厚感あるステップはさすがでした。

 

◆6位 エフゲニアロパレバ / ジェフリー・ブリソー(フランス)

195.91(FD:118.93 RD:76.98)

エフゲニア選手のパンツスタイルがとても素敵。サイバーな感じが、とても格好良かったです!

GPファイナル2024、男子シングルはアメリカのイリヤ・マリニン選手が優勝。日本勢は2人出場でしたが、鍵山優真選手、佐藤駿選手が揃って表彰台です!

今回は出場予定だったフランスのアダム・シャオ・イム・ファ選手が残念ながら欠場となってしまいました。変わって出場したのはカザフスタンのミハイル・シャイドロフ選手。アダム選手の欠場は残念でしたが、今季伸び盛りのシャイドロフ選手が観られたのは良かったです。

 

競技結果(ISUページ)

 

 

◆1位 イリア・マリニン(アメリカ)

292.12(FS:186.69 SP:105.43)

出てきた瞬間から、ばりばりの王者感。4A、バックフリップジャンプも跳んで盛り上げてきましたね!ちょっと粗い部分もあったように思いますが終始勢いが凄かったです。アクセル含む4回転を7つ跳ぶという驚異的な回数。全て回転不足ではありましたが…。でも十分凄かったです。(もう凄いとしか言えない)

 

FS:ジャンプ構成

前半:4Fq 4Aq  4Lz<(転倒) 4Lo<

後半:4Lz<1Eu3S  4Tq3T  4Sq3A

(TES:100.85 PCS:86.84)

 

 

◆2位 鍵山優真

281.78(FS:188.29 SP:93.49)

FS、冒頭4Fは着氷!しましたが、その後の4Sが2Sに。でもその後の演技は大きなミスなくまとめました。決まったジャンプはとても綺麗で回転不足もなし。ステップはいいように見えたのですがレベル2だったみたいです。FSだけだと1位…ですが、今回のマリニン選手は回転不足が多かったので完璧なマリニン選手に勝つには、ノーミスでステップのレベルも取っていかないといけないと考えると、とんでもなく大変そうです。でも鍵山選手なら、さらなる高みに至ると信じています。

 

FS:ジャンプ構成

前半:4F 2S 4T3T 3A1Eu3S

後半:4T 3A 3F2Lo

(TES:97.45 PCS:90.84)

 

 

◆3位 佐藤駿

270.82(FS:184.54 SP:86.28)

FS、4Fの転倒はありましたが、他には大きなミスはなし。試合ごとに表現力が増していっているような気がします。後半のピアノの音に合った、しなやかで細やかな身体の動きが凄かったです。こんな表現が出来る選手だった!?と驚きました。TESだけだと1位。PCSがもっと伸びてくれるといいですね。

 

FS:ジャンプ構成

前半:4Lz  4F!<(転倒) 4T3T 4T

後半:3A1Eu3S  3A2A  3Lo

(TES:102.89 PCS:82.65)

 

 

◆4位 ダニエル・グラッスル(イタリア)

254.96(FS:173.20 SP:81.76)

昨シーズンは色々あって全試合の出場がなく寂しかったのですが、今季レベルアップして戻ってきたグラスル選手が観られて本当に嬉しいです。

FS、NHK杯で初めて見た時は、なんか変わったプログラムだなあと思っていたのですが、見慣れてきたのか、あれ、意外といい?と思うようになってきました。バレエをテーマとしたプログラム(ビリーエリオット)で、当然バレエの動きがたくさん入っているのですが、とにかくその所作が美しい。スタイルの良さもあるのでしょうが、びしっと手足が伸びているだけでなんか映えるといいますか。

ジャンプについては冒頭の4Lz、4Loが回転不足で、思ったより点数が出なかった印象ですが全体の流れはとても良かったです。

 

FS:ジャンプ構成

前半:4Lz< 4Lo< 4S 3A3T 

後半:3A2A2A 3Lo3T 3Lz

(TES:93.65 PCS:79.55)

 

 

◆5位 ミハイル・シャイドロフ(カザフスタン)

253.75(FS:162.49 SP:91.26)

今季絶賛大ブレイク中!と言っていいのではないでしょうか。本来GPファイナル出場選手ではなかったのですが、アダム・シャオ・イム・ファ選手の欠場があっての出場ということで運も引き寄せていますね。何より3A4Tという、まだ他の選手が入れていなかったジャンプを跳んできたというインパクトがありました。そして今回のFSでは3A1Eu4Sまで入れてきました。ただ、高得点の4Lzで転倒、4Fで回転不足だったこともあり点は伸びず…。SPは素晴らしい出来で2位だっただけに残念。でも爪痕は十分残したと思うので、次の試合(世界フィギュア?)も期待しています!

 

FS:ジャンプ構成

前半:4Lz<(転倒) 3A1Eu4S 4F<  3Lo

後半:4T3T 3A<2A 3Lz

(TES:85.71 PCS:77.78)

 

 

◆6位 ケヴィン・エイモズ(フランス)

238.63(FS:169.81 SP:68.82)

GPシリーズ2戦、良い演技が続いていたのですが、今回はSPでミスが出て6位スタート。FS、大崩れはしないで~!と祈りながら観ていました。前半の4Tと後半のジャンプでミスがいくつかあり、ベストな演技ではありませんでしたが転倒はなし。ひとまず、どんどん崩れて…といった状況ではなかったので、ほっとしました。エイモズ選手ならではの独特で個性的なステップはとても良かったです。昨シーズンはGPファイナルまで出ながら、その後のヨーロッパ選手権では31位、世界フィギュアへの出場がありませんでした。

今季は世界フィギュアで観られることを願っています!

 

FS:ジャンプ構成

前半:4T2T 4T 3Lz 3A2A

後半:3A 3T1Eu3S<  3Fe

(TES:83.73 PCS:86.08)