ことりの木ノート vol.2

ことりの木ノート vol.2

日々のくらしのささやかなできごと 人との交流 大好きな手しごと 絵本 やりたいことへの一歩一歩…
色々な糸を紡いでいつか「ことりの木」というぬくもりのある布を織り上げていけたらと思います。
そんな夢への覚え書きノートです。

今年も残りあと数時間になりました


9月にブログを復活して

何回か投稿できたこと

またみなさんと

言葉を交わせるようになったことが

とても嬉しいです


ブログをお休みしている間も

せっせと絵本や本は読んでいたので

その中からいくつか

お話しさせてください(-´∀︎`-)


『わすれていいから』

   大森裕子 作

 KADOKAWA


少年と猫の物語です


実は私…

猫も犬も飼ったことがないのですが


それでもページをめくるごとに

愛おしくて

切なくて

とうとう絵も文字も霞んでしまいました


少年と猫の淡々とした日常

時の流れと

成長が描かれています


それだけなのに胸に沁みる…


「忘れないで」

「覚えていてね」

ではなくて


「わすれていいから」


その言葉が

静かに

でも痛いくらいに響く


できることなら

私もそんな風に

静かに送りだせる人になりたい


考えが変わるほどの魅力を持った

絵本でした


機会がありましたらぜひ





こちらも大切な絵本


『もし ぼくのかみが あおいろだったら』

   ガードナー瑞穂 さく・え

 H.B.Gardner  えいごやく

 TOKYO NEWS


私は知らなかったのですが

2023年に特集番組があったそうで

お友だちに読んでみて…と勧められました


作者の瑞穂さんは

男の子と女の子2人

3人のお子さんのお母さんです


次女のマリィちゃんはダウン症で

この絵本は長男エイデン君が

地域の小学校に通えなくなった1年生の頃に

お母さんと交わした会話が

もとになっているそうです


“障がいがある”ということの考え方

障がい児者の周りの人たちの在り方

不登校の受け止め方

不登校の親の在り方

障がい者と健常者の両者を分ける太い線は

どうしたらなくなるか…


瑞穂さんの思いが

あとがきに丁寧に書かれています


実は我が家の末娘が

福祉作業所に行けなくなってしまいました

夏から徐々に

そして1ヶ月前から完全に。


あんなに楽しそうに行っていたのに…

ずっとずっとこのままの日が

続くと思っていたのに。

まるでゼロに戻ってしまったかのようで

私は私を責め…

やっと前を向けるようになったところです


人間還暦を過ぎても

悟りなんてそうそう簡単に開けないものですね(笑)


原因ははっきりわからないので

今は見守っています

そんな私の心に

瑞穂さんの丁寧な“あとがき”は

色々なことを気付かせ

励ましてもくれました



「どんなあなたでも大好きだよ」

というメッセージを伝えることは

(どんな状況にあっても心からそう思い

伝えることは

実際そう簡単でないことも多いけれど)


子どもに安心感と自信と

再起のエネルギーを与えるものだと

改めて感じさせてもらいました



次は約1年前

表紙に惹かれて読んだこちら


『雪のひとひら』

   ポール・ギャリコ 

 矢川澄子 訳

 新潮文庫


文庫本ですが

原マスミさんの美しい挿画が10枚も

入っている…

美しい大人の童話


ひとりの女性の愛と生涯を

雪のひとひらを擬人化することで描いています

はじめちょっと絵本「しずくのぼうけん」を

思い出したりしましたが

ぜーんぜん違ってました(笑)


ストーリーと表現の仕方が魅力的で

読んでいる間

私の中で

雪のひとひらは完全にひとりの女性として

生きていました


出会いと別れ

不安や恐怖

戸惑いやあこがれ

絶望や救い

喜びや悲しみ


最後の最後

太陽が

彼女を頭上の雲の中心に

ひきずりこむ間際

臨終の雪のひとひらの耳に、なつかしくもやさしいそのひとのことばがきこえてきます。

ー「ごくろうさまだった、小さな雪のひとひら。さあ、ようこそお帰り」

(カラー文字はあとがきより引用させていただきました)


雪(水)の一生

女性(人)の一生

なぜ生まれてきたのか

なぜこんな風に

生きていかなければいけないのか…

思いがけず

深く問いかけられ続けました


この本にも巻末に

訳者である矢川澄子さんの

長いあとがきがあります


それで

矢川澄子さんのことをもっと知りたくなり

今矢川さんの書かれた別の本を読んでいます

その話もいずれ…



…もう少しお付き合いください(▰˘◡˘▰)

『子どもの十字軍』

  ベルトルト・ブレヒト 作

 はらだたけひで 訳

 ひだまり舎 出版


この絵本は

Instagramで

まず小さな出版社「ひだまり舎」のことを知り

ずっと気になっていました


ブレストの古典的な詩に

はらだたけひでさんが

素晴らしい訳と絵を付けています


 探し求めるのは平和な土地

 大砲もなく 銃もなく

 故郷とはちがう安らぎの土地


ドイツの詩人、劇作家ブレヒトの

不朽の叙事詩が現代によみがえる

(カラー文字は表紙カバーの文章より引用させていただきました)


ブレストの詩は

第二次世界大戦中の1941年に書かれました


55人の子どもたち

食べるものも着るものも十分ない中

少し大きな子は小さな子を

少し元気な子は

病気の子を世話しながら


そして時には

亡くなった子の弔いもしながら

ただただ平和な土地を求めて

歩き続けるのです



ロシアのウクライナ侵攻

ガザの現状などと重なります

過去の終わったこと

ではないと


この絵本が美しいだけに

余計に悲しみを禁じ得ません

ひだまり舎さんの

丁寧なものづくりにも心打たれます



少し余談ですが

この詩を読んだ時に

既読感があり

本棚の奥を探してみたらやっぱりありました

『子供の十字軍』

   ベルトルト・ブレヒト 著

 矢川澄子 訳

 山村昌明 銅版画

 マガジンハウス


この本は1992年1月初版で

なんとなんと

『雪のひとひら』と同じ

矢川澄子さんが訳されていました


こちらにも『雪のひとひら』同様

ブレヒトさんとこの詩の背景について

矢川澄子さんの

詳しいあとがきが掲載されています



1992年私31歳

ちょうど長女を産んだのが1992年の1月

あの頃初めて母になった私が

何を思ってこの本を手にしたのか…

今となっては思い出せないのが残念です



さて最後は大好きな絵本作家さんの

思い切り元気で生命力に溢れた絵本です

『やまをとぶ』

   きくちちき 文と絵

 岩波の子どもの本

 岩波書店


帯にあるように

岩波の子どもの本創刊70年の記念新刊です


岩波の子どもの本は

「ちいさいおうち」や「きかんしゃやえもん」

おさるのジョージシリーズ等

おなじみですね


とにかく絵も文章も

“生きている!”という

命と元気を謳歌していて

嬉しさにあふれています


人間の子どもも動物も

生きとし生けるもの全ての命と

光や風 山 空…

全てがキラキラとまるで歌うように

語られています

絶対音読したくなります!


全く対極にあるような

辛い子どもの本のお話をした後なので

余計に


世界中の子どもたちが

こんな風に命を輝かせることができるようにと

祈らずにいられません



以前ご紹介したことがある

ちきさんのこちらの絵本も

おすすめです



生活も社会情勢も世界の動きも

先が見えない不安が多いけれど


絵本や本を傍らに

できるだけ想像力を働かせながら

心豊かに

希望を持って過ごしていきたいですね


今年の大河ドラマ『べらぼう』は

蔦屋重三郎の生涯が描かれました

彼の本屋「耕書堂」の表す意味は


“書をもって世を耕す”

だったと記憶しています

いいなぁこの言葉!


私は…

世を耕すまではとても無理だけれど

自分の心を耕しつつ

来年も私なりのやり方で

子どもたちに“読書の楽しさの種”を撒く

お手伝いができたらなぁと思います



ここまで長々と読んでいただいて

ありがとうございました。


そして今年もありがとうございました。

どうぞみなさま

良いお年をお迎えください( ᵕᴗᵕ )*・☪︎·̩͙