俯いているわたしを心配そうに覗き込む蓮。



今わたしがここで拗ねて怒ったら、険悪なム-ドになって喧嘩に発展するだけ。


そう頭では分かっていても、一度沸き上がった不安や嫉妬で渦巻く気持ちはすぐに消えてくれない…




蓮は元彼女のことをわたしに話すことで、2人の関係が友達で…何もやましいことはないと証明しているつもりなのかもしれない。
それに元彼女は結婚を控えてる…


そう自分に言い聞かせるようにして、わたしは家事にとりかかることにした。


気持ちを切り替える為に。。




miu「お風呂洗って来るね。」


わたしは精一杯の笑顔で心配そうに覗き込む蓮にそう言ってお風呂場へと向かった。





蓮に向けた精一杯の笑顔はひきつっていたと思う。


俯いて黙っていたことも明らかに不自然。





浴槽を力を入れて念入りに洗う。



浴槽が綺麗になっていくにつれてわたしの灰色の気持ちも洗い流されていくような気がした。





浴室から出ると申し訳なさそうな表情をした蓮が立っていた。



何か言いたそうな…でも言葉に出来ない。



そんな雰囲気の蓮を見て、いたたまれない気持ちでいっぱいになった。