2日前に「専門家会議の予定がホームページにアップされてるよー」という情報を得て、傍聴に行って来ました。

急な開催で予定されていた専門家の先生も来れないほど。

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肝心の水管理の専門家である北村先生が欠席とのこと。
のっけから残念な感じ。

廃棄物処分の専門家である北海道大学の松藤敏彦教授の講演から始まりました。
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傍聴席は空調機器の音でマイク🎤の音がちょっと聞き辛い感じ。
「聞こえなーい」の声に、全体的に傍聴席側に近寄って講演されました。

淀江の産廃処分場計画ではなく、一般的な廃棄物処理の話とはいえ、専門家のお話を直接聞く機会はなかなか無いことです。
それがたとえ「傍聴者」の説得のためであっても。

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産業廃棄物の種類や分類など本当に基礎的な部分から。

このスライドにもはっきり書かれているように自治体に処理責任があるのは一般廃棄物(都市ゴミor家庭ごみ)の方。

米子市議会3月議会で戸田議員が質問していたように一般廃棄物処分場はあと8年ほどで一杯になります。
それを見て見ぬふりをして、一般廃棄物処分場予定地に産廃処分場を建てようとしている鳥取県の職員さんはこのスライドを見てどう思ったでしょう?

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世界には未だにただごみを積み上げるだけの所があったり、
昔の日本も中国を笑えない大気汚染の状態だったところから、ごみ処理の技術や管理がドンドン進化してきたことが伺えます。
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処分場の建設にあたって指針が示されたのが1988年。この頃は、「遮水シートは絶対に漏れない」と厚生省は言っていたとのこと。
「政府は必ず嘘をつく」のか「想定外は必ず起こる」のか分かりませんが、不幸にも東京都多摩地区の日の出町処分場で塩素が漏れたことでシートの安全神話が疑われ始めます。

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ベントナイト混合土や第2遮水シートなど、処分場の技術面は格段に進歩していますが、安全性の鍵となるのは、正確な施工と適切な運用管理であることも分かりました。
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慢性毒性を防ぐための厳しい基準が処分場から排出される水にはあると。
ある意味、処理された水は環境中の水よりきれいなのかもしれません。

しかしこの図はけっこうショックでした。
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ダイオキシンの摂取由来は魚介類うお座が圧倒的にTOP!
いかにも危なそうな処分場周辺の大気や口に入らない排水よりも、
ヘルシーの代表のような魚介類が最も汚染されているとは。

ダイオキシン特別措置法などを経て、ダイオキシンの排出量は劇的に減少しましたが、それまでに海を汚してしまった結果なのか、現代の私たちはダイオキシン入りのお魚(場所によっては放射性物質も?)を食べるしかなくなっているんですねぐすん

このグラフは、こちらの資料から拝借しました。
https://www.env.go.jp/chemi/dioxin/hand/handbook.pdf
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漁協の皆さん方が、海を守りたいと産廃処分場反対の声を上げるのももっともなことです。
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松藤先生のお話で産廃処分場の安全に関する技術もよく分かったし、排出基準の厳格さもよく分かりました。

だけど、そんなに遠くない昔、厚生省が絶対破れないと言った遮水シートはちょっとした人為的ミスで破れ汚染水を漏らしました。
安全と言われた原子力発電所は「想定外」の地震と津波で爆発しました。

淀江の水源地間近に作られる産廃処分場が「想定外」のことで事故を起こしたらどうなるでしょう?

野菜やお魚と違い「水」は毎日必ず摂取するものです。どんなものよりも守られなければなりません。
そこに「グレー」という概念は存在しません。

地下水の動向は、白黒決めがたいものと聞きました。

万一があった場合、すぐ近くにある水源地は問題ないのか?
そちらの方に産廃処分場の地下水は流れないのか?
地下水の動向について専門家同士で議論して欲しい。
その議論を聞いて納得したい。
と住民は願っているのです。

今回、「専門家会議」と言いながら実態は反対住民への説明会でした。
安全への疑問を納得させるための。
そして「傍聴者」との対話は一切ない。

松藤先生は何度も
「私の話は一般論」とおっしゃいました。

私は、産廃のことやごみ処理のことを自分ごととして考えるためにも、
「水源地の直上流で名水が湧き出る場所に産廃処分場を作ることは妥当か?」
という問いに関して、地元の水環境に詳しい専門家同士の議論を聞きたいと思います。