昔、会社勤めをしていた頃の話。
同僚の女性からとある相談を受けた。
内容は「ことり(私)さんと仲良しのあの子を好きになった、どうしよう」だった。
同僚の言う「あの子」は女性。
同僚も女性。
ちなみに、私は同性愛だろうが2次元愛だろうが無機物愛だろうが全く偏見を持っていなかった。
昔から犯罪でなければ特殊性癖も別に良いのではというタチであった。
だから同僚から相談されたのだろうと。
同僚は頷いた。
「ことりさん、あの子と仲良しだから、私のことどう思ってるのか聞いて欲しい」と。
当時、同僚はやたら「あの子」を追いかけていたこともあり、なるほど、と納得した。
別に良いけれど、その前に確認したいことがあった。
私は「友達の意味での好意?それとも性的な意味での好意?付き合いたいとかSEXしたいとかそういう意味の?」と聞いた。
「あの子」はいたってノーマルで、恋人もいる。
「あの子、潔癖だから自分が性的な目で見られてると感じたらすぐに気がつく。だから告白する気がないなら、友達に対する好意以上の好意は見せない方がいい」
誰を好きになろうと自由だし、好きでいるのを止める権利はない。
ただ、相手がいる限りその好意をどう受け止められるかというのは「相手次第」という他ない。
「好きになるのは良い事だけど、自分の気持ちを伝えることで相手がどんな気持ちになるかも想像した方がいい」
好意だからといって、皆が皆プラスの感情で受け止めてくれる訳では無い。
そういう意味で、最近の同僚は少し暴走気味だった。
というのも、あの子と同僚の距離が物理的に近かったからだ。
そして、実のところ私は「あの子」から相談を受けていたのである。