「ん?最初の話と違うぞ」となったら要注意です。



会社に属していても、見積書にクレームをいれたりネチネチ価格交渉をしてくる方はいます。


フリーになるともっと増えます。


これは映画関係だけではなく建設や飲食でもあることで、あの業界は絶対にない!とは言い切れないんですね。


明らかにおかしい値段をふっかけてきているなら値下げ交渉をするのも分かります。


が、基本は最初に提示した報酬です。


そもそも「何故この額になるのか?」「根拠は?」「内訳は?」「使用目的は?」「人件費は?」という説明がされて納得しているかどうかでもあります。


それをコロコロ変えるのは、ビジネスとして計画性の無さというか行き当たりばったり感を出しているので信頼性に欠けてしまいます。



値切るのは損です。



何故ならその分クオリティーが下がるから。



フリーランスの場合、やる気に直結しています。


もともとの依頼主との関係性にもよりますが、例えば報酬が低くても自由度の高い現場だとか拘束期間が短いだとか、制約が割と緩ければアリです。


しかし、ガッチガチに制約があって拘束期間が長い割に報酬が低い場合、その依頼を受けるメリットはほぼ無いと言ってよいでしょう。


むしろ自分の経歴に傷を付ける可能性もある訳です。







最近の映画業界ではセクハラやパワハラが問題になっていますが、他のところでもあると思います。


目立つのが映画業界だった、というだけ。


契約する前に「ん?何かおかしいな」と思ったら、誰かに相談した方が良いです。


今後何かしら問題が起こる可能性が高いので。


責任を負わされたり、報酬外の仕事を任されたり、その後の活動に影響が出るような評判を流されたり…


依頼主は「やり甲斐」がどうの「変な噂をばら撒く」と勝手なことを押しつけてきますが、そもそも最初に提示した内容と違うことを言っているのはそちらですよ?という話なので、怯える必要はありません。


冷静に構えていてれば良いです。


どちらがおかしいのは誰の目にも明らかですから。



証明する根拠があれば良いのです。


いつ誰とどんなやり取りをしてどんな内容の契約をしたか、報酬は何に対するものか、これは出来るあれは出来ない、支払い期日、正当なものであるか、否か。


通常であれば見積書や契約書に明記されているのですが、自由業だと基本そういった書面ではなく口約束やぼかした依頼書でのやり取りになってしまうので、はっきりさせることが大事です。


フリーランスで大切なのは「契約書」「書面でのやりとり」「記録」です。


「業界あるある」は業界外だと分かりにくく共感しにくい話であることが多いので(例えばOLは8時間労働だけど映像関係は関係ない、など)、出来るだけ第三者に理解してもらえるようなもので残すこと。


「契約書」を作ってしまえば早いのですが…


「うちが信用出来ないの?」と言われてしまうこともあるので、依頼の詳細を明記したメールを証拠とする場合もあります。


その時点である程度圧を感じてはいますが、こちらもビジネスなので残さないといけないんですよね。


理不尽な責任を負わされたり、賠償がどうのと後から言われるよりは全然マシです。


出稼ぎ風俗なんかは多いですよね、「ちゃんと働いたのに聞いていた補償額と違う」なんてこと。


実際にその現場が始まってから問題が起こることの方が怖いので、もし依頼を受けた場合は、「無駄な責任を負わされないための物的証拠」を用意しましょう。


常日頃から税務署とやりとりしているとか、確定申告をきちんとしているとか、日々の生活態度も大事ではあります。


私は仕事柄多方面の職種の人と関わりがあるので、きっちりしないと後が怖いです。


それでもやはり変な企業や人がいるので、依頼を受けてしまった場合は報酬相応に力を抜いて勉強だと思うことにしています。


プロのくせに!こっちは金払ってるんだ!というのも理解は出来ます。


でもね、プロだからこそなんですよ。


被服なら材料費、デザイン料、作業代、急ぎならその分割り増しにもなります。


その料金に納得がいかないなら他へどうぞ…というだけの話なんですよ。


ちなみに東京都の最低賃金は令和3年10月1日より1,041円になりましたが、仮に過酷な環境下の現場が時給500円だったとしましょう。


やる気、出ますか?


そもそもなんで時給500円?という話になりますよね。


その時点でまず正当な評価はされていません。


普通の人からしたら、「その現場おかしいよ!」になる訳です。


安さを売りにするのも個人で納得しているのであれば良いかもしれませんが、その後のこともきっちり考えましょうね…というお話でした。





搾取、ってそういうことじゃない?