グリーフは、悲嘆・深い悲しみを意味します。

グリーフケアは、「喪失の悲嘆:大切なものを失くした深い悲しみ」へのケアです。

グリーフケアは、亡くなった遺族へのケアだと思われがちですが、実は、認知症の人や家族も経過の中でグリーフを経験し、支援を必要としています。

認知症は、徐々に認知機能の障害が進行し、やがて、日常生活や社会生活にも介護が必要となります。それらは、非可逆的で元のその人に戻ることはありません。

このように、身体的には存在するが、心理的には不在であると認知される『曖昧な喪失』の状態にあるのです。
この喪失を経験する人は、長く不確実な状況に置かれ、複雑化したグリーフに陥りやすくなります。




曖昧な喪失』とは
さよならのない別れ別れのないさよなら
という2つ。

さよならのない別れ
身体的には不在だけど、心理的には存在。
例えば、失踪や行方不明。

別れのないさよなら
身体的には存在するけど、心理的には不在。
例えば、認知症や精神疾患。

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その人はそこに居るのに、その人は居ない
当たり前にできていたことが、できないとか
自分の存在が、消えてしまうとか
到底受け入れられないことを、日々受け入れていかなくてはならない苦しさ、とか

長く不確実な状況に置かれ、何度も喪失感を味わう、ということ。

認知症や高齢のご家族を介護されている方々の、一生懸命さに、いつも胸が詰まる。

「病気(認知症)ですから。」のひとことで片付けられないよ悲しい


職場である認知症対応型デイサービスで
4年ぶりくらいに家族会を開催するのだけど
何か少しでも、想いを語ることで
和らぐものがあればいいなぁと思う。
逆に、考えることがあっても。
現実に、在宅で看取りを終えたご家族も、自身の経験をお話に来てくださるとのこと。

デイサービスでのほっこり場面も、伝わればいいなぁ〜ニコニコ


グリーフは世界のかたちを変えてしまう出来事。
悲しみへの配慮は「追い越さない」こと。
深い悲しみのなかにある人を前にして
その人の気持ちを勝手に追い越さない。

ただそこに全力を尽くして「いる」こと。
深い思いやりをもった静かな見守りはいつか届く。



おまけ

漫画「ペコロスの母に会いに行く」
の中の、好きなお話がある。
母の目の青い小箱というお話。

シリーズたくさんあります指差し


緑内障の症状のある母の
右目の瞳孔には青い小箱がある

おーーい
ゆういちよーー
(ペコロスであり、息子である岡野雄一さん)
こん中には、今まで見てきたもんが
全部入っとるよ〜


だけん
もう、何もかんも忘れてしもて良かろー?


良かさ!
生きてさえおれば

何ば忘れても良かさ!