『魔帝の血脈 (2) 沼地の呪術師』〈真実の剣第7部〉 | 手当たり次第の本棚

『魔帝の血脈 (2) 沼地の呪術師』〈真実の剣第7部〉

もともと1冊のものを分冊してるという事情があるとはいえ、2巻になってもまだ、本来の主人公であるカーランとリチャードは出てこない。
真面目な話、おそらく、最後の最後(今回は4分冊らしいので、4巻目の『宿命の邂逅』)あたりまで、出てこないんじゃないかと危ぶまれる。

なぜって、原書第8巻(日本の文庫版だと第8部)の冒頭って、ほとんど第6部の終わりとつながってるも同然なんだもんなあ……。

はっきりきっぱり、第7部って、「外伝」同然だと思うのだが。

ともあれ、ジェンセン・ラールの冒険は、まだまだ続くのであった。

まあ、ジェンセンが主人公の外伝みたいなもの、と思えば、それはそれで楽しいし、彼女が、日一日と成長していくさまは、それなりにめざましく、かつ、前向きないい娘なので、読んでいてもほだされるのだけどな。

しかし、当然、それだけではすまさないのが大河ファンタジイの(そしてこの作者の)お約束なので、
そろそろ、ジェンセンの存在にまつわる「謎」がちらちら見え始めてきている。
そりゃ、彼女もラール家の血を引いているわけで、しかも、今の今まで、殺されずにすんだわけで、そこには、ただならぬ秘密が隠されていたのだった。

ところで今回のサブタイトルになっている、沼地の呪術師なのだが。
すぐに想像されるとおり、ジェンセンが探し求めていたアリシアその人のこと。
腕のいい職人と結婚している彼女であるが、ジェンセンの前に現れるおkの夫婦、やはり、アリシアの方がいきいきとして魅力的で、テリー・グッドカインドという人は、女性キャラが魅力的だなあ、と思う。
男はむしろ、普通すぎるきらいがある(笑)。


魔帝の血脈 2 沼地の呪術師 (ハヤカワ文庫 FT ク 5-33) (ハヤカワ文庫 FT ク 5-33 真実の剣 第 7部)/テリー・グッドカインド
2007年10月25日初版