『神曲奏界ポリフォニカ レゾリューション・ブラック』 | 手当たり次第の本棚

『神曲奏界ポリフォニカ レゾリューション・ブラック』

先月最新巻が出たばかりのポリ黒だが、その1冊前についてまだ書いていなかった。
レゾリューション・ブラック、なのである。

今回は、単身楽団の展示に出品された、「全てガラスで造られた単身楽団」を中心に織りなされる、一風かわった恋物語というか、精霊と人間の絆にまつわる、いかんともしがたい宿命に関する物語だ。

それは、ポリフォニカならずとも、人外のものと人間の間の恋にはつきものの宿命でもある。
すなわち、人外のものの寿命が非常に長い……または、人間の寿命が非常に短い、という事。

その事に一番こだわっているポリフォニカが、ポリ黒であるかもしれない。

とくに、今回は、「精霊であるがゆえにわからない、短命な人間の脆弱な肉体」が前面に押し出されている。
ガラスの単身楽団の元の持ち主である女性と、
17歳の若さにして、過労で倒れるほどの激務をこなすマティア。
マナガは、その二人をどうしても重ねずにはいられなくなる。

それにしても、この巻でも良い役をさらっているレオン、とうとう来月、独立したシリーズの主役としてスタートするそうだ。
作者は同じ大迫純一。
楽しみではあるが、執筆ペース速いですな!



神曲奏界ポリフォニカ レゾリューション・ブラック 神曲奏界ポリフォニカ ブラック シリーズ5 [GA文庫] (GA文庫 お 2-5)/大迫 純一
2007年7月31日初版