『ニッポンの犬』 | 手当たり次第の本棚

『ニッポンの犬』

著者は動物写真家として有名であり、人気もある。
その著作は、野生動物だけでなく、猫や犬のものも、たくさんある事でも、知られていると思う。
なかんずく、この人の写真集の一部は、文庫本になっているのだ!

これはなかなかないことだぞ。

カラーの美しい写真を、文庫で見られるのだ。

しかも、新潮文庫という最大手のレーベルであるから、値段も、文庫としても安価な方だと思う。
昨今、4桁の値段の文庫本なんて、ざらにあるからなあ。

さて、犬。
ネットではどういうわけか、猫の方が人気なのだが、いやいやどうして、犬人気もいぜんとして高い。
もっとも、最近は、室内などでも飼いやすい、外国産の小型犬が人気らしいし、実際、そういう犬ばっかり見かけるような気もする。
しかも、犬用の服を着てたりしてな。

だけど、私は日本の犬の方が好きだ。
顔つき、とくに耳の当たりがきりりとしている。
大きさは、中ぐらいのものが多いのだろうか。
そういや、しっぽがくるっと巻いているのは、日本犬だけの特徴だ、なんて話も聞いた事がある。

洋犬におされて、日本固有の種類は、だんだん、少なくなっているんだそうだけど、それでもまだ、日本の各地に残るいろいろな日本犬を、この写真集では順次収録している。

いいぞ~っ!
日本の田園には、やはり、日本犬が似合うと思う。
日本の町並みにも、本来、日本犬が似合うんじゃないかな。
柴犬だけは、国内外で今でも人気が高いそうだが、それ以外の犬種にも、目をむけてみてはどうかな。

私は、秋田犬なんて大好きなのだが……(笑)。

そんな、日本の犬がいる、日本の風景を、写真と味わいのある文章でつづっている。
ニッポンの犬。


岩合 光昭, 岩合 日出子
ニッポンの犬
新潮文庫