『極真空手入門』 良質な空手入門書 | 手当たり次第の本棚

『極真空手入門』 良質な空手入門書

空手、と一口に言っても、流派がいろいろにあり、流派によって同じ名前の技でも内容が違っていたりとか、いろいろと、差がある。
でも、空手というからには、基本的な技はほとんど違いがない。

それでだな。
比較的、空手ってのは、いろんな流派がそれぞれ、本を出しているものなのだ。型とか組手の手順を写真入りで載せてあるものが多い。
ところが、どうもいまひとつ、
「見た」
「読んだ」
「わかった」
と言える本が少ないんだよなあ。

その流派を学んでいる人ならわかるのかといえば、それはまあそうだ。
と、言えなくもないのだが、写真に頼って、文章が説明しきれていない。
写真とて、ビデオじゃないですから、
「写真1と写真2の間はどう動いてるんだ?」
となる部分も、たっくさんあるわけだ。
どんなに細かく写真分解したって、同じこと。

その点、さすが、本もビデオも多数出しているだけあって、極真はわかりやすい本を出してるなあと思ったのが、これ。

「座礼のしかた」
から始めている本は、それなりにあるけれども、
「道衣(道着)の着方・たたみ方」
ここから解説している本は初めて見たぞ。
でも、意外とこれって、入門したての人はわからないものだし、おまけに、ちゃんと教えてもらえる事も少ない。
道場によるかもしれないが……多分、
「空手スクール」
みたいに、学校を作って、学期ごとに新入生を入れる。
こんな風にでもしないと、いちいちまとめて教えるなんて事にはならないし、入門してきた一人一人にそこから懇切丁寧に教えるって事は、ほとんどなさそうだ(笑)。

このようにいたれりつくせりだから、空手の基本技についても、遺漏なく、ていねいに解説してあるのが、大変、良い。

独習している場合は勿論、道場でやってる場合でも、
「A先生に教えてもらった時はピンとこなかったけど、B先生に教えてもらったら、よくわかった!」
なーんて事は、日常茶飯事だ。
常にかならず、B先生がいい、という事じゃないんだよな。

ゆえに、ちゃんと身につけておきたい基本技であるほど、なるべく、いろいろな人から、教えてもらうのが理想的なのだ。

もちろん、教えてもらった内容に、齟齬を感じる事もある。
なんでそうなるのかは、やっていけばおのずと解明されたりするんだけどね。
そこはそれ、わからないうちは、そのつど、教えてもらった通りにすれば良いわけで……まあそれでも、理解できないから、なんかないかな~。
そんな場合に、いくばくかのヒントがこの本から得られるかもしれない。

「うちの流派とはここは違うな」
と思った項目でも、読んでみるとなかなか参考になる事が多いのが、すばらしい。

また、空手に役立つストレッチとか補強運動が入っているかと思えば、基本的な型まで、(もちろん分解写真つきで)載っていたりする。

「空手ってなに?」
「極真って?」
てな興味がある人も、これを通読すると、だいたいの雰囲気がわかるんじゃないかなあ。



著者: 郷田 勇三, 国際空手道連盟極真会館
タイトル: 極真空手入門―基本技術 最強を目指す人のための