『大江戸魔方陣』 呪術都市、江戸! | 手当たり次第の本棚

『大江戸魔方陣』 呪術都市、江戸!


相変わらず、風水が流行ってるんだそうだ。私は、その手のものは
「その気になった時、なんとなーく、やってみてもいいかな、でもお金はかけないぞ」
という方針なので、黄色いものをわざわざ家の特定の場所に置くとか、そういうのはした事がないんだけど、都市計画の上での風水には、ちょっと興味があるのだ!

平安京が風水都市であるというのは、有名だよね。
東京もそうだ、というのは、荒俣宏が『帝都物語』 で面白く描いてくれたけれど、あれはちょっとばかり長いし、中身が詰まりすぎていて、幻惑されるというのがあるなあ。

東京-江戸-風水、という観点で、すごく興味深く書かれているのは、むしろこの本なのだ。『大江戸魔方陣』。ソノラマ文庫で 『晴明。』 とか出してる、あの加門七海が書いてます。

江戸の四神相応がどうなってるのか、とか。
鬼門にはどう手当がされてるのか、とか。
実際の神社名がずらずら出てきて、地図上に線が引っぱってあって、大変わかりやすい。何がどうなってどうした、というのは、歴史から説明してるんだけど、専門書みたく、くどいわけじゃなく、わかりやすいので有り難い(笑)。

なにより楽しいのは、東京に暮らしていて、普段、目にしたり、耳にしたり、ニュースで聞いたりした事のある神社仏閣が、あれもこれも、
「うおー、実はそういう事になってたのかあっ?」
と、謎を明らかにされてること。

もともと風水には、パズル的な要素があると思ってたけど、この本は、そのパズルをうまく読み解く、推理小説的な楽しみもあるのだ。

いや、ほんと、最初に読んだ時は思わずはまっちゃった(笑)。以来、通りすがりのなんの変哲もない、小さな神社まで、すごーく気になります。



著者: 加門 七海
タイトル: 東京魔方陣―首都に息づくハイテク風水の正体


著者: 加門 七海
タイトル: 平将門魔方陣

著者: 加門 七海
タイトル: 大江戸魔方陣―徳川三百年を護った風水の謎  河出文庫