箏の波 ぶんです。
昨日の記事の続きです。
長らく放置してしまったお箏。
まずは勇気を出して袋から出してみましょう。
もしかすると絃が切れていたり、
表面にカビが生えているかもしれませんが
それは大丈夫です。(でもこの機に綺麗に拭いてあげてね)
チェックポイントは「裏側」と「側面」です。
まず裏側。お箏はひっくり返すとこのようになっています。
裏側は平らな一枚の板で作られています。
まずは、この板が割れていないか、
亀裂が入ったりしていないかをチェックして下さい。
大丈夫そうでしたら、次は側面です。
お箏の一番端の部分。
糸がグルグルッと巻かれている方の脇の部分です。
写真をみると、横に一筋、継ぎ目があるのがわかりますか
実はこのように2枚の板を貼りあせて作られているものは
低いランクのお箏=お稽古用のものです。
ランクの高いお箏でしたら、この継ぎ目はありません。
それでチェックポイントは、この継ぎ目の有無ではなくて
この張り合わされた上下の板が剥がれて
「隙間ができていないか」ということです。
ではこの継ぎ目を辿って、横〜上〜逆側の横〜
そして元の位置までお箏を一回りしてみましょう。
逆側の端の部分にカバー(口前といいます)が付いていたら
それはこの様に外せます。
そして同じ様に継ぎ目部分をチェック。
ちなみにカバー(口前)は単にお箏を保護するためのものですから
無くなっていても、ボロボロになっていても問題はありません。
さて、ぐるりと一周、継ぎ目のどこも剥がれていなければ
そのお箏は大丈夫。まだまだ使えますので安心して下さい。
では、もし剥がれていたら??
う〜ん。
可哀想ですが、引き取ってくれる人を探すのは難しいかと思います。
お箏の構造はギターやバイオリンと同じで
楽器の中の空洞に音が反響して鳴るしくみになっています。
ところが裏板が割れていたり、継ぎ目が剥がれていたりすると
音が洩れてしまって響かないのです。
それでもいいや、と割り切って
指使いの練習をするつもりで使えないことはないのですが、
逆の立場になってみた時に、そういうお箏を弾きたいと思われるでしょうか。
よほどのことがない限り、普通は躊躇しますよね。^^;
お箏屋さんに修理をお願いすることも出来ますが、
それにはかなりの費用がかかります。
ランク的にみても、まずは買い替えを勧められることでしょう。
お箏は桐の木で出来ています。
木は乾燥すると収縮し、湿度が増すと膨張します。
従って物置の中などの寒暖の差が激しい場所や
直射日光の当たる場所、
湿気の多い北側の部屋などに長く置いておくと
特にこのような「割れ」や「剥がれ」が生じ易くなると思われます。
そんな訳で心当たりのある方は、どうか一刻も早く
可哀想なお箏を救出してあげて下さい。
そして無事が確認できたら
次はどうしたら良いかを一緒に考えてみます。
さらに続く
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