頸にぶつかる風がすっかり空っ風に変わった。

髪に鋏を入れてもらうのは
暮らしの中の楽しみのひとつ。
今どんな状態で在るのか
それを知るための最適なツールであり
鋏のリズムを聞く時間はとても愉快。

髪を短くすればするほど
自分自身の輪郭がより鮮やかになる。

自分の顔に責任を持つことを意識するようになったのも
肩に髪が付かなくなってからだ。

今の私にはこれくらいがちょうどいい。

そう風が教えてくれているようだ。