心がキュッと縮んで

泣きたくなった

 

心がギュッと硬くなって

ぽきと折れそうになった

 

硬くなればなるほど

心は息をすることを忘れ

硬くなればなるほど

この小さな体の中だけの世界に

閉じこもってしまう

 

そんなとき

上の方から声がするんだ

 

「あなたはそれでいいの?」

 

「あなたが本当にしたいことは何?」

 

硬くなってかちこちで

それでいてつつけば崩れそうなこの心に

 

上からの声は

まるで毛布みたいにふかふかな声で問いかけて来るんだ

 

その声の主を探そうと

ふと見上げると

お腹の下の方がジーンと熱くなって

何かがむくむくと湧いてくる

小さな体の中に巣食った悲しみやどうしようもない気持ちは

ふと見上げた空に向かって

何かをぶつけたくなっている

 

小さく硬くなってしまったこころは

下から突き上げくる熱いものに押し出されて

ごろごろと石が激流に押し流されるように

次から次へ

何かを言いたくて仕方なくなってくる

 

それが言霊

魂からの言葉

 

肚から湧き上がる熱いものはまるでマグマだ

 

その激流の勢いは

小さな体の中で起きる葛藤やせめぎ合いを

これでもかと押し流して

怒涛を生み出し

一気に噴火する

 

ぶつかっていい

そのままの勢いを止めなくていい

 

怖がらなくていい

誰かの気持ちを自分の気持ちだと思い込まなくていい

 

 

 

勘違いするな

お前はお前だ

 

そして

このマグマは

大きな大きな宇宙の流れ

 

勘違いするな

お前は一人じゃない

 

大きな大きなこの宇宙の営みのひとつ

 

うろたえるな

 

大丈夫だ

 

ぜったいに

大丈夫だ

 

ばらばらになることはない

すべては

ひとつなのだ

 

 

 

抗うことのできない激流の中で

確かに聞こえた声

それはいつか

自分自身が求めた声なのかもしれない

 

そしていつしか

硬くなってなにものをも受け付けなくなったこころは

スポンジのように柔らかで

大きくも小さくもなる

 

どんな形になろうとも

それを受け入れて遊んでいるように

喜んでいる

 

 

こころはこんな風に

収縮と拡張を繰り返す

 

こころという受信機をもとに

人間という容れものはあれこれカタチを変えてゆく

 

もともとどんなカタチだったのかわからないくらい

変わってゆく

 

それを楽しむために

この世に生まれてきたのではないか

 

だから

自分はこういう人間だから正しいとか

自分はこういう人間だから正しくないとか

決めなくていい

 

同じように

あの人はこういう人間だから正しいとか

あの人はこういう人間だから正しくないとか

決められない

 

あるのは

こころという受信機が感じたことだけ

 

人間てのは

本当は

何にだってなれるんだ

 

それは自分が望むままに。

 

〜大切な君へ〜