ほんの少し動いただけで

張り裂ける様な胸の痛みに耐えられず

僕の鼓動は情け無い音たてながら

悲しい倦怠が身体を巡る


堪らない目眩と吐き気の行き場

寝たきりの背中は軋みに狼狽える

真冬の寒さに同化した左の掌の

痺れは痛みを超えて僕に語りかける


嗚呼自由が欲しくて走ってきたつもりが

不便な身体にならなけりゃ

分からないことだったなんてさ

嗚呼もう一度きりで良いから

いつか登ったあの丘に

両手高く陽の光なら掴んで居たい


ただ動き回る夢ばかり見た夜は

静かに叫んだ涙の乾いた跡を辿った

天井見上げて朝の光を待ち侘びて

可笑しいくらいに凍りついた身体に

謳う自由と動きだす傷痕の痛みが

肩を組みながら歩き始める





〜ホンモノの自由とは不自由を感じて初めて分かる



安らぎとは痛い間にしか希求せず



苦しみの中にだけ真の幸せを感じる



見えてないから愛おしく



今ここにないから大切だと分かる



それが自由



自由感じながら今日も理不尽な疼痛と戦おう