今回の訪韓の目的のひとつとしていた路線で、いわゆる新交通なのですが日本では見られないVAL規格(開発元はフランス)を採用しており、日本から一番近い場所にあるVALということで、乗ってみようかと。
まずは地下鉄1号線(KORAIL京元線)議政府駅へ向かいます。乗換駅は回龍駅となっていますが、議政府市の市街地も見たいと思い、市街地の議政府駅へ。
KORAILの駅は、韓国で「民資駅」と呼ばれる民間資本による駅舎整備のようで、ここでは新世界百貨店と合築されています。駅前もそこそこ集積が進んでおり、商業ビルが林立しています。
駅前をよく見ると、高架軌道が。これが憧れのVALちゃんが走る議政府軽電鉄ですね。白をベースに赤と緑のラインが入り、フランス規格なのにイタリアっぽいなぁ…などと思いながら軌道の方へ向かいます。
地平から高架と駅舎を見上げてみます。道路から見たら日本の新交通と変わりませんね。よく見たら高架の構造とかが違ったりするのでしょうか(耐震基準も異なるでしょうし)。
駅舎の横にはバス停があります。韓国のバス停は上屋が設置されている箇所が多く、ここも立派な上屋つき。簡易な路線図もあってバスネットワークは確認できるのですが、これまた韓国らしく時刻表は掲示なし。たぶんコールセンターへ電話するか携帯電話のアプリで確認できるのでしょうが、旅行者にはちょっと不便かな…。
それにしても寒いので、とにかく駅舎へ…。
アプローチの階段は結構簡素な作りですがデザインは見栄えがする仕上げ。自立型で設置されている路線案内も、なかなかカッコいい仕上がり。
コンコースは、至ってシンプル。さすがに市街地最寄り駅だけあって、改札内にはカフェを入店させています。券売機は2台と主要駅としては寂しく思いますが、ICカード(T_money)が普及しているため、券売機の利用機会は少ないのでしょう(オートチャージも普及しているためチャージ操作の機会も僅少のようで)。
券売機の横にあるのは、韓国では珍しい「両替機」。券売機はコストカットのため高額紙幣未対応となっており、そのため両替機が必要となったようです。
こちらは券売機で発売される普通乗車券(写真左)。トークンを採用していますが、ICチップ搭載なので実際はICカードと同様の使い方となります。どうせICシステムにするなら何故T_moneyのシステムを導入しなかったのか疑問に思いましたが、1回乗車カードに関係するコストを節約するため、より簡易なトークン型にしたようです。T_moneyシステムと違いデポジットは不要で、降車時は自動改札に直接投入する形で回収します(写真右はソウル都市圏T_moneyシステムの1回券回収機・これに返却することでデポジットを返金)。
さてホームと電車内の様子をば。
ホームは一般的な鉄道と変わらない雰囲気ですが、車内は「狭い!」と思わず声を出してしまうほど狭い。しかし、狭いなりの工夫も見られます。
座席は車端部以外は片側のみ設置で、対面は立席スペース。立席とはいえ腰掛け用クッションもあり、短距離乗車前提の路線ならこれで問題はないのでしょう。
走行中の軽電鉄と、住宅地での駅の様子。軌道の構造や自動改札機の様子などを見ていただけるでしょうか。最後に走行シーンの動画をご案内して、軽電鉄ご紹介を締めくくります。
その4へつづく