ラーメン「江ぐち」の閉店に思う(2) | オッサンの競馬アナライザー

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穴ライザー?

色々なことが、場面が甦る。

これほど、はっきりと頭の中で映像化される店はあっただろうか。

それが、愛され続けた秘密なのかもしれない。


さて、昨日のつつぎだが、


ふたりいるあじさんのうちの、手持ち無沙汰のように立っていたもう一方のおじさんが、

やっと出番がきたというふうに、少なめのどんぶりを持ち上げ、

先客のほうへ差し出した。

「おっ、ツイている。こちのものだ」とニヤッと内心思う。


そして、多めのどんぶりがオッサンの前に。


「げっ!!」

そこに見た光景は、どっぷりとスープの中に浸かった、オヤジの親指。

どう見ても、業としか思えないどんぶりの縁から内へと、第二間接から曲がった親指。

いっきに食欲減退。

(のちに、あれは業にあらず、技として平気に思うえてしまう人間の性とは恐ろしや)


一口食べて、「ちょっと湯で時間が」の不安が的中した。

粉っぽい、硬い。

先客の方を覗き見ると、何事もなく平然と食べているではないか。

といことは、これがこの店の流儀なのか。

朱に交われば、ではなく、郷に入っては郷に従えで、ふた口め。


今度は、やや軟らかい。これが先客の麺だな、などと思い食らう。

全体的に半生風で粉っぽい麺が、オッサンの胃袋を占領していく。

多めのどんぶりが恨めしくなってくる。

普段は割りと早食いのだが、なかなか進まない。それに従い、

麺がだんだんと食べやすくなってきた。

ここまで、おやじさんの読みは深かったのかと、妙に感心しながら、

気がつけば、スープも残り少なくなっていた。


胃がもたれつつ、金を払う。


320円。


もやし追加が30円、たまごが50円

たまごは、固ゆでもあるが、茹でている鍋に直接生卵を割り入れる半熟は名人芸。


ラーメンと書いてきたが、記憶が定かではないが、かべに貼られた品書きは

「支那そば 320円」  だったような気がする。

なんどか値上げしたが、しばらくは値段のところだけが張り替えられていた。

今は、新しく書き直され、ラーメンとなっている。


三鷹を離れて一年になるが、一度も足を運ばなかったのが、今となっては悔いが残る。