幽白の幽助を思い出した。 | Fuck Boredom Let's ××!

幽白の幽助を思い出した。

3日目の朝、回診にきた先生から今回の手術でわかったことを説明される。


「血液検査の結果、母体に炎症が見られたが

お腹を開けてみたところ羊水も濁っておらず

赤ちゃんもすごく元気で出血も多くなかった。」

「一応赤ちゃんの血液検査もしてみたが

感染などは起こしていなかった。」

「ただへその緒が赤ちゃんに巻いていたので

普通分娩ならかなり時間がかかっていた。」

「今回のケースは帝王切開にして正解だったと思う。

早く外に出してあげたから赤ちゃんが元気で産まれてくることができた。」

とのことだった。


しかし、前日までなんの異常もなかったのに

どうしていきなり高熱が出たのかなどの原因は結局わからなかったらしい。

最後は 「お産はなにが起こるかわからない。」 という言葉で締めくくられた。


その日の昼間にはベッドから起き上がって歩く練習が始まる。

まだ体を起こそうとした時点で激痛が走る

しかも点滴と尿の管が入ったままなので非常に動きづらい。


でも早く体を動かさないと血栓のできるリスクが高まるし、

床擦れもできてしまうので痛いだろうけど

今日は頑張ってと看護師さんたちに励まされる。

自分としても歩けるようにならないことには

子供に会えないと必死で手すりを掴み、立ち上がる。

2日間寝たきりだったので

足に力が入らない感じがして心もとないが、何とか歩けそうだ。


すると看護師さんが

「赤ちゃんにも早く会いたいだろうし

一度ベッドに戻ってしまうと立ち上がるのがしんどくなるから

もうこのまま授乳室にいきましょう。」 と言い出したため

尿の溜まった袋をぶら下げたまま授乳に向かうことになった。


点滴のバーを歩行器代わりにし、

腰をかがめ手すりを掴みながら少しずつヨロヨロと進む。

入院した病室は授乳室から一番遠く、道のりが果てしなく感じる。


歯を食いしばり歩き続け、ようやく授乳室へとたどり着き室内に入る。

中では数人のお母さんたちが授乳をしていた。

自分は尿の袋をぶら下げたままの上に

頭は鳥の巣のようにボサボサ、しかも3日も風呂に入ってないので臭いという

相当見苦しい状態だったので、

あまり他の人にこの姿を見られたくなかったが

この際そんなこと言ってられない。

せめてもの気遣いとして、他の人からは離れた所に座るようにする。


看護師さんに子供を連れてきてもらい

ようやく明るいところで子供の顔をしっかり見ることができた。

やはり自分には似ていないと思う。

抱いてみるととても小さくてふにゃふにゃしている。

ちょっとしたことでポキッと骨が折れたり、死んでしまいそうだ。

こんなのを本当に育てていけるのだろうかと一抹の不安を覚える。


入院しているうちになるべく多くのことを

助産師さんから学んでおかねばと強く思う。

何しろ抱っこの仕方から、オムツの替え方まで一切わかっていないのだ。

しかも他の人よりも学ぶスタートが2日遅れている。

このままの状態で退院したら

家に帰ったとたん確実に大混乱に陥るだろう。