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監督・ばんざい!
2007年6月1日公開
北野武監督が自ら主演を務め、スランプに陥った映画監督の姿をパロディやギャグを散りばめながら描いた異色作。
あらすじ
おバカな映画監督キタノ・タケシ は、次に撮る映画の内容で珍しく悩んでいた。彼のこれまでの代表作で最も得意とするのはギャング映画だったが、あろうことか「暴力映画は二度と撮らない!」と宣言してしまったのだ。後悔先に立たず、今度ばかりは心底参ってしまった。とはいえ、ヒット作を世に送り出そうと、これまで手のつけてこなかったタイプの映画に片っ端から挑戦してみることに。まずは海外の映画祭に受けそうな<小津安二郎風人情劇>。しかし今のご時勢、平凡な庶民の幸福をのんびり描く映画に客が入るわけがない。それじゃブームに便乗してノスタルジー溢れる<昭和30年代映画>。ちょうど自分の生まれ育った時代だし、誰よりもうまく料理できるはず、と思ったのも束の間、リアリティーがあり過ぎて、暴力映画よりもひどい話になってしまった。これもダメ。じゃあハリウッド・リメイクを期待した<ホラー映画>、お涙頂戴の<ラブ・ストーリー>、殺陣・ワイヤーアクション全開の<時代劇>、さらには<SFスペクタクル>などに挑む。しかしことごとく中断。悲嘆し、追いつめられた監督は、“映画を愛する”全人類に向けて「これでも食らえ!」とばかり閃いた1本の映画にとりかかることにする。金儲けのためなら何でもやる、ワル知恵だけが頼りのセコいがドジなサギ師の母 とその娘 。2人が目をつけたのは、政財界の大物・東大泉 の子息らしき学生服の男。財産目当てにその男に娘を嫁がせようと目論んだのだが、実はこの男、東大泉に30年以上遣える生真面目な秘書、吉祥寺太 。しかも実は貧乏な家の息子だった。そこから始まり、次々とめまぐるしく展開するあまりにも予測不可能な、空前絶後のストーリーに映画の神様もあきれ果てる。地球には天地をひっくり返す、人類史上かつてない大異変が起きようとしていた……。
監督・脚本・編集:北野武
製作担当:森徹
製作主任:萩原満
プロデューサー:森昌行、吉田多喜男
撮影:柳島克己
【キャスト】
ビートたけし、江守徹、岸本加世子、鈴木杏、吉行和子、宝田明、藤田弓子、内田有紀、木村佳乃、松坂慶子、大杉漣、寺島進、六平直政、渡辺哲、井手らっきょ、モロ師岡、菅田俊、石橋保、蝶野正洋、天山広吉
ナレーション:伊武雅刀