アディクトの優劣感
2007年12月22日公開
セックス、ドラッグ、酒、音楽に溺れるアディクト(依存症)な若者たちのリアルな日常を描き出した青春映画。
あらすじ
34才の誕生日を目の前に命を絶った由季宏 。彼は死の直前、恋人の玲加 に、「理解しあうことと、愛し合うことって同じじゃない」という謎の言葉を残して立ち去っていた。由季宏が亡くなって1ヶ月、彼の最後の言葉が理解できずにいた玲加は、残されたパソコンの中に遺書を発見する。そこには玲加の知らない由季宏の姿があった―。由季宏は、友人である吉永と共に[リミッターカット]というバーを経営していた。そこには、無軌道な若者たちが集い、ドラッグが蔓延していた。セックスとドラッグにはまり、主観的妄想に生きる由季宏。「仕事も女もセックスもドラッグも、もういい」と思いつつ、「目の前にあったらどれにしたってやることはやる」という退廃的な生活を送っていた。ある晩、DJ兼プッシャーのテンパリ が、ドラッグ所持によって逮捕される。大量のネタと顧客リストの流出を恐れた仲間の塚原から連絡を受け、由季宏は仲間の元へ向かう。同棲中のテンパリの彼女・ヒノコ が部屋から持ち出し、駅のコインロッカーに隠してきた大量のドラッグを、由季宏がピックアップすることになった。明け方、由季宏はたったひとり駅へと向かう。予想以上に重たいリュックを背負い、久しぶりにゾクゾクとした緊張感と刺激を味わい、由季宏は快感に満たされる。テンパリの逮捕によって、由季宏とヒノコの距離が縮まる。自分より一回りも年下の彼女の世界観に、由季宏はまるでドラッグにはまるように魅せられていく。しかし、テンパリの釈放をきっかけにふたりは会わなくなる。すべてのことに興味を持てなくなった由季宏は、自分がこれまで、あらゆる【刺激】だけに囚われてきたことに気がつく。もはや【死】以外に魅力を感じないと、由季宏は最後のリミッターカット(限界突破)へと向かってしまう。
原作:池間了至
監督:藍河兼一
脚本:西永貴文
プロデューサー:小出正之
撮影:林盟山
音楽:江藤雅樹
【キャスト】
沢村純吉、青山華子、吉武優、朱蕾安、渡部遼介、石井あす香