イ・チャンドン レトロスペクティヴ4K | シネマ係長の秘密基地

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イ・チャンドン 

レトロスペクティヴ4K  

2023年8月25日公開

韓国を代表する巨匠イ・チャンドンの代表作含む全6作品、監督自身に迫る日本初公開の新作ドキュメンタリーで編成された特集上映

イ・チャンドンが自らレストア作業を行った4K版にて上映。日本での特集開催について彼は「当時の映像の雰囲気や印象、そして感情を味わえることに努めてアップグレードしましたので、そこに注目して観てもらえたらと思います」「今回のレトロスペクティヴを通して、私たち人間について、人生について、皆さんと分かち合えればと思います。新しい日本の観客の皆さんとお会い出来ることを楽しみにしています」と語っている。


「イ・チャンドン アイロニーの芸術」

2022年/フランス、韓国/99分
99分のタイムトラベル。見えない物の真実を探す―。イ・チャンドンが製作の原点と人生を語るドキュメンタリー。
イ・チャンドン作品に魅了されたフランスのドキュメンタリー監督アラン・マザールの脚本を元に、被写体であるイ・チャンドン自らが総力を上げてコラボレーションした、これまでにない映像作品。

「バーニング 劇場版4K」

2018年/韓国/148分
村上春樹原作の極上ミステリー。
第71回カンヌ国際映画祭国際批評家連盟賞受賞。
小説家を目指しながら、バイトで生計を立てるジョンスは、偶然幼馴染のヘミと再会する。ヘミからアフリカ旅行へ行く間、飼っている猫の世話を頼まれるジョンス。旅行から戻ったヘミはアフリカで出会ったという謎の男ベンを紹介する。ある日、ベンはヘミと共にジョンスの家を訪れ、「僕は時々ビニールハウスを燃やしている」と、秘密を打ち明ける。そこから、ジョンスは恐ろしい予感を感じずにはいられなくなるのだった。

「ポエトリー アグネスの詩4Kレストア」

2010年/韓国/139分
詩を綴ることで彼女が見つけた人生の光と影、美しさとは―?第63回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞。
釜山で働く娘の代わりに、中学生の孫息子ジョンウクを育てているミジャ。ミジャは好奇心旺盛でおっとりしている。ある日、町の文化センターで偶然に詩の講座を受講し、人生で初めて詩を書くことになる。詩のテーマを見つけるために、これまで何気なく過ごしていた日常を思い返し、美しさを探そうとするミジャ。今まで見てきた全てのものがまるで初めて見る物のように少女のように心ときめくのだった。しかし、ジョンウクが自殺した少女の死に関わっている同級生グループの1人である事が発覚し、世の中が自分の思うように美しくはないことを知る…。

「シークレット・サンシャイン4Kレストア」

2007年/韓国/142分
深い悲しみから抜け出そうとする女性の葛藤を描く、魂が震える傑作。第60回カンヌ国際映画祭女優賞受賞。
シネは事故で亡くなった夫の故郷で再出発するため、息子とソウルからミリャンに引っ越して来る。車が途中で故障し、レッカー車を呼ぶと、自動車修理工場を営むジョンチャン(ソン・ガンホ)が現れた。彼の好意でシネは無事にピアノ教室も開き、順調に新生活を送っていたが、ある日息子が誘拐され…。

「オアシス4Kレストア」

2002年/韓国/133分
世の中から疎外された二人が知ったはじめての愛。
第59回ヴェネチア国際映画祭最優秀監督賞他、3部門受賞。
ひき逃げ事故で兄を助け刑務所から出たばかりの青年ジョンドゥは、家族のもとへ戻るものの、皆からけむたがられていた。ある日、被害者家族のアパートを訪れた彼は、寂しげな部屋で一人取り残された女性コンジュと出会う。脳性麻痺を持つコンジュは、部屋の中で空想の世界に生きていた。二人は互いに心惹かれ合い、純粋な愛を育んでいくが、周囲の人間はだれ一人として彼らを理解しようとはしなかった。そして、ある事件が起こる…。

「ペパーミント・キャンディー4Kレストア」

1999年/韓国、日本/130分
激動の韓国現代史を背景に、ある男の20年の記憶を辿る。第37回大鐘賞映画祭最優秀作品賞他、5部門受賞。
1999年、春。旧友たちとのピクニックに場違いな恰好で現れたキム・ヨンホ。そこは、20年前に初恋の人スニムと訪れた場所だった。仕事も家族もすべてを失い、絶望の淵に立たされたヨンホは、線路の上で向かってくる列車に向かって「帰りたい!」と叫ぶ。すると、彼の人生が巻き戻されていく。自ら崩壊させてしまった妻ホンジャとの生活、互いに惹かれ合いながらも結ばれなかったスニムへの愛、兵士として遭遇した「光州事件」…。そして、記憶の旅は人生のもっとも美しく純粋だった20年前にたどり着く…。

「グリーンフィッシュ4Kレストア」

1997年/韓国/111分
監督デビュー作品。アウトサイダーの男女3人が織りなす喪失と希望の物語。
第35回大鐘賞映画祭審査員特別賞他、5部門受賞。
兵役を終えて汽車で故郷へ向かっていたマクトンは、赤いスカーフを巻いたひとりの女性が、チンピラに絡まれているのを助けたものの、喧嘩になり、汽車から取り残されて、女性と声を交わすことなく別れてしまう。マクトンの手元には赤いスカーフだけが残る。暫くして、ミエと名乗る女性から電話が入る。彼女は赤いスカーフの女性で、ナイトクラブのステージに立ち、新興組織のボス、テゴンの情婦でもあった。ミエの口利きと持ち前の負けず嫌いの性格で組織の一員になったマクトンは、テゴンに気に入られ頭角を表すようになる。ミエへの恋心を抱きながらも、テゴンへの忠誠を誓うマクトン。その頃、対立組織のボスが刑期を終えて出所し、マクトン等に圧力をかけてくるようになる…。


特集ではハン・ソッキュが主演を務めた1997年の長編監督デビュー作「グリーンフィッシュ」から、ユ・アインを主演に迎え村上春樹の短編を実写化した「バーニング 劇場版」までの6本の長編作品を一挙上映。イ・チャンドンがその名を世界に知らしめた「ペパーミント・キャンディー」、第59回ヴェネツィア国際映画祭で監督賞など3冠に輝いた「オアシス」、第63回カンヌ国際映画祭で脚本賞を受賞した「ポエトリー アグネスの詩」などもラインナップに並んだ。