季節風/愛情の設計 | シネマ係長の秘密基地

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1977年7月16日公開

季節風

田舎から単身上京しモデルに憧れたり、働くことの厳しさに直面したり、先輩の死に遭遇する中で、さまざまな体験を経て大人への旅立ちをはじめる青年を描く。

あらすじ晴れ

高村慎次は今年もまた大学受験に失敗。ガックリして故郷に帰って来た。慎次が初めてトップ・モデルの圭子に会ったのは故郷の海辺だった。彼の父はすでに他界しており、母と腹違いの兄夫婦と暮していた。大学受験をすすめる兄と喧嘩し、バイクで飛び出た慎次は、東京へ帰る途中の圭子の車とぶつかりそうになる。そして、自分も東京へいっしょに連れて行ってくれとたのみ、東京へ向った。慎次は東京で、少年時代から親しかった先輩の山本健、美紀兄妹のアパートにころがり込む。しかし二人の生活はかなり苦しく健は失業中、美紀は昼夜働きどおしであった。慎次は自分も働くことを決意し、健と二人で職を探し、運よく健も慎次も仕事がみつかり、彼はスナックのボーイ。数日がすぎ、座興でギターを片手に歌っている慎次の前に圭子が現われ、彼に別れの歌を作ってくれとたのむのであった。歌ができた日に、健が倒れ、以前から骨肉腫で一刻も早く入院しなければならなかった。慎次は金を借りようと圭子のところへ行く。しかし、そこで彼は圭子のパトロン・松本を目撃、いそいでその場を立ち去った。病気の健は故郷の海が見たいと言い、美紀と三人で故郷へ向う慎次。故郷で彼は意外な人と出会った。圭子であった。別れの歌はあのパトロンに送るものだったのだと彼女は言った。慎次は母と二人で東京でやりなおす決心をする。その夜、急に病状が悪化した健は、息をひきとった。声も出ない程悲しむ美紀を前になにもできない慎次。いつしか美紀にほのかな想いをいだくようになった慎次。しばらくして東京では三人のそれぞれの生活が始まった。工場で働く美紀。フラッシュを浴びながらポーズをとる圭子。そして参考書を片手に歩く慎次。


脚本:長野洋

監督:斎藤耕一

製作:中川完治

【キャスト】

野口五郎、宇佐美恵子、田中邦衛、大竹しのぶ、加藤治子、中村敦夫、中条静夫、常田富士男

愛情の設計

里中満智子の原作をもとに、心臓弁膜症の少女の悲しい初恋を描く。

あらすじ霧

槙村美世は18歳。13年前に両親を交通事故でなくし、今は兄の圭と2人暮し。北野翔平は20歳。北野病院の御曹子で、病院を継ぐのがいやで両親にさからって文科系の大学を志望していた。こんな2人が初めて出会ったのが東都大学の入学試験の日。その日の朝、2人は電車の中、教室、食堂というぐあいによく出会い、いつしか意気投合するようになった。美世の18歳の誕生日に、大学の合格の前祝いをかねて圭がケーキを買って来た。しかし、美世は、その夜、突然倒れてしまった。圭は美世が心臓弁膜症であることを、彼女にかくすのだった。大学入試発表の日、美世は合格、翔平は不合格。2人は、残念会と祝賀会をかねて町でデートを楽しんだ。翔平は東都大進学をあきらめ、親がすすめる城南医科歯科大へ入学。そして、翔平は、両親の進める大学へ入学したプレゼントに何をもらうか美世に相談。美世はヨットがいいと提案。2人はさっそく兄・圭の設計事務所へ行き、ヨットの設計を依頼した。新緑に映える軽井沢。翔平の入学祝いが彼の家の別荘で彼の仲間といっしょに開かれ、当然美世も誘われた。圭の反対を押し切って参加した美世。2人の仲はこのことをきっかけに急速に接近。仲良く乗馬に興じている2人。その時、突然美世が倒れた。圭は翔平に美世の病気のことを話し、2人の交際の中止をたのみ、2人は激しく対立。しかし、美世の幸せを祈り2人の仲を圭は許すのであった。数日後、美世は自分の病気の事に気づき、翔平との愛に生きようと決心し、ウェディングドレスに身を包み、翔平が借りたヨットで航海へ出た。しかし、病いの美世の身体ではやはり無理だった。発作がおきたのだ。そして翔平が無線でSOSを打ちつづける中で、美世はこの世を去っていった。岸に戻った翔平と圭は向いあって、翔平は自分の責任だと言い、圭は、美世は思う通り生きてきっと幸せだったろうと翔平に礼を言うのであった。残こされた美世の日記には人を愛する素晴しさが、よるこびにあふれる文字でいっぱいに綴ってあった。


脚本:石松愛弘

監督:山根成之

原作:里中満智子

製作:樋口清

【キャスト】

桜田淳子、村野武範、佐藤佑介、渡辺文雄、瞳麗子、夏純子、折原真紀、遊佐ナオ子、中島久之、粟津號、白木葉子、里中満智子、人見ゆかり、佐藤美恵子