森崎書店の日々
2010年10月23日公開
失恋し、叔父の経営する古本屋の手伝いをすることになった主人公の女性が、本の世界に引き込まれ、変わりゆく姿を描く。
あらすじ
貴子 が同じ会社に勤める恋人の竹内英明 とイタリアンレストランで食事をしている時、英明が経理課の村野という女性と結婚すると打ち明ける。気が動転して何も言えない貴子。その後、貴子は会社を辞めてしまう……。こんこんと眠る傷心の貴子のもとに、神保町で古書店を経営している叔父・サトル から電話がかかってくる。彼の声はひたすら明るく、貴子に店の二階に住むことを勧めるのだった。こうして、貴子の森崎書店の日々が始まった。初めて足を踏み入れた、世界に有数の古書店街神保町。しかし、店番をすれば百円の文庫本が売れただけ。お客のサブ は、日本の文豪たちの小説のことをとうとうと話し出すが、貴子はそれまで小説をろくろく読んだことも興味を持ったこともなかったので面食らうばかり。そして、ふとした時に英明のことを思い出してしまう。そんな貴子を、サトルは美味しい珈琲を飲ませてくれる喫茶店に誘い出す。そこで貴子は、サトルが若い頃、自分だけの人生を探し求めて世界中を旅していたことを知る。ふと手にした本を読み始めると、次第に本の世界に引き込まれていく貴子。喫茶店でアルバイトをするトモコ や高野 といった友達もでき、古本には前の持ち主の痕跡が残っていることにも気が付いた。押し花が挟んであるとか、気に入ったところにラインが曳いてあるとか、それはまるで口にはしないが人それぞれの過去を持っているようであった。賑やかな古本まつりが終った夜。サトルは貴子に、神保町という街は本と同じだと話す。開けてみるまではすごく静か。でも開いてみるとそこには途方もない世界が広がっている。そして読み終えて閉じると、またシンと静かになる。そして貴子もまた、この街が好きになっていた。だがある日、古本の買い取りに行った帰り、貴子は偶然英明の姿を見てしまい、貴子の心がまた騒ぎ始める……。
製作:小林栄太朗、久松猛朗/企画・プロデュース:越川道夫/原作:八木沢里志(第3回「ちよだ文学賞」大賞受賞作)/音楽:野崎美波/撮影:猪本雅三/照明:北村憲祐
美術:松本知恵/音響:菊池信之/衣装:宮本まさ江/メイク:鈴木 彩/助監督:小林憲史/編集:菊井貴繁
美術:松本知恵/音響:菊池信之/衣装:宮本まさ江/メイク:鈴木 彩/助監督:小林憲史/編集:菊井貴繁
【キャスト】
菊池亜希子、松尾敏伸、奥村知史、吉沢悠、きたろう、岩松了、内藤剛志、田中麗奈