スウィッチ
バカンスのために自宅交換をしてパリを訪れたカナダの女性が、自分の名前や身分までもが交換相手のものと入れ替わり、殺人犯にされてしまうサスペンス。
モントリオール在住、25歳のカナダ人女性ソフィ・マラテール は容姿も気立ても悪くないが、バカンスを一緒に過ごす親しい友人や恋人がいなかった。その上、ファッション・イラストレーターの仕事は絶不調。あらゆる運に見離されたソフィに、雑誌編集者クレール からアドバイスが。それは“switch.com”というサイトにアクセスし、海外の利用者と自宅を交換してみてはどうかというものだった。彼女の体験談に惹かれたソフィは、早速、登録。まもなくベネディクト・セルトー という女性との間で契約が成立し、パリに旅立つ。パリ7区にあるベネディクトのアパートは、外観も内装も豪華な造り。解放感を味わったソフィは、期待に胸を膨らませるが、翌朝待っていたのは悪夢のような出来事だった。激しい頭痛と嘔吐感で目覚めたところに、玄関を破壊して警官隊が突入してくる。連行された警察では、殺人課警部ダミアン・フォルジャ から信じられない話を聞かされる。アパートの別の部屋でトマ・ユイゲンスという若者の死体が見つかったというのだ。その上、その死体は切断された頭部が行方不明で、凶器のナイフにはソフィの指紋が付着。さらに問題なのは、警察がソフィを“ベネディクト・セルトー”として逮捕したことだった。自分がソフィ・マラテールであると主張し、すべての経緯を説明する。しかしアパートで押収されたベネディクト名義のパスポートにはソフィの写真が貼られ、“switch.com”も跡形もなく消滅。何一つ彼女がソフィ・マラテールであることを証明するものは見つからなかった。ソフィは、見知らぬ殺人鬼にアパートだけでなく、身元まで“スウィッチ”されてしまったのだ……。何故自分なのか、ベネディクトとは一体何者なのか……。やがて、事件は猟奇性をはらんだ驚愕の真実へと繋がっていく……。
カリーヌ・ヴァナッス、エリック・カントナ、メディ・ネブー、オーレリアン・ルコワン、カリーナ・テスタ、マキシム・ロイ