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ことのはの色彩

その人の存在をことほぎ、その人の美しさ素晴らしさを「インタビュー記事」や「その人の色」で伝えていく”コトノハニスト いのうえいほこ”のブログです。

ハンドメイド作家のsarariさん。

静かで気品があるけれど、柔らかさも感じられる。そして芯の強さを感じる天然石のアクセサリー。それがsarariさんの作り出すものだ。

作品名は「はじまりの輝き」「閃きの結晶」「キレイのおまじない#1」など、それだけでも心が躍る名前が付けられており、それぞれの作品ごとに「言葉」が添えられている。

 

 

(sarariさんのプロフィールより)

「私はアクセサリーの「意味」を纏っています。

 アクセサリーの持つ「意味」という

 「言葉」が私の力を引き出して、

 私を変える勇気をくれた。」

 

左「Lady…」   右「Flat」

 

アクセサリーが語りかける「言葉」を掬いだし、美しい作品にさらなる魔法をかける。

そんなsarariさんにお話を伺った。

 

 

 

【楽しい を発信する】

 

-sarariさんの発信されているnote、Twitterを拝見していると、いつも「楽しさ」を感じますが、何か意識されていることはあるのですか?

 

昨年まではいろいろと打算的だった部分もあったのですが、今年は「楽しそう!」と思ったことは全部やろう!と思ったのです。

「いけるんじゃない?」と思ったら、そのためにどうしたらいいか?というやり方を探すのがいつものパターンです(笑)。

 

 

-そうだったのですね!打算的だったsarariさんが想像できません…(笑)

 

昨年までは「どうやったら利益が出るの?」「どうやったら売れるの?」を中心に考えていましたが、今年に入って「とにかく楽しいことだけやろう!」と心に決めました。

そうしたら不思議なことに売り上げなどの数字も変化してきました。

 

 

-sarariさんの文章(noteやTwitter)はとても読みやすく、なんだかそっと背中に手を当ててもらっているような、あったかい気がしますよね。

 

私は長い期間ブログをやっていました。

昔は「ブログは日記だ」と思っていて、なかなかそこから抜け出せないままやり続けていた感じです。

 

でも、noteをスタートしてみて分かったのです。

私にとってnoteはちょっとした本を書く感じです。

 

言いたいことは書く前に決まっていて、次に見出しを考えて、その後必要な文章を書くことで、結果的にストーリー仕立てになる。

 

このやり方がとても自分に合っていると気づきました。

 

これまでにいろんな人のブログも読んで様々なことを実践してきました。

しばらく経って「文章の書き方の本」を読んだとき、「あぁ、これまで実践してきたことは間違ってなかった。これらは全部やってきたことだな」と、答え合わせができた感じがしました。

 

 

-確かにsarariさんのnoteはとても読みやすいですね。その上、そっと力をもらえる感じがします。

 

私が気をつけているのは「読みやすさ」「温度感」の2つです。

気を抜くとネガティブな話から学んだということばかりになりがちなので(笑)、意識して「人生楽しいよ!」ということを伝えようと思っています。

 

 

-今はnoteとTwtterをメインにして発信されているんですよね。

 

最初はやれそうなSNSは何でもやってみよう!と思ってスタートしました。noteは 2020年2月末からです。

いろいろやってみて、次第に自分と相性のいいSNSに絞っていきました。

「やってみてうまくいったらそれを伸ばしていく」というスタンスで、いろいろ試して今があります。

 

 

 

【ハンドメイド作家さんに伝えたいこと】

 

-最近はLINEやメールでハンドメイド作家さん向けのコンサルもされているとか。

 

ハンドメイド作家活動コンサルタントとして、ハンドメイドの「困った!」について、どうしたらもっと楽しくできるようになるのか、アドバイスをお伝えしています。

 

私にとっては「話す」よりも「書いて」伝える方が楽なので、文章でやり取りしています。

喋るとなると変なプレッシャーがかかって、うわ~となってしまうんです(笑)。この「文章」でのコンサルはじっくり落ち着いてやり取りができるので、とても自分に合っています。

 

 

-どのような想いをもってコンサル生の方とやり取りをされているのですか。

 

まず私の根底にあるのは「どんな人も、自分に合ったやり方を見つける力がある」ということです。

 

「Lady…」

 

私がお伝えするノウハウやセオリーは単なる選択肢に過ぎません。

「こういうやり方もありますよ」ということをお伝えし、あとは皆さんの力を信頼している、という感じです。

 

「私はこうしているので、このやり方を選んでみてもいいんですよ。もちろんやらなくてもいいですよ」というスタンスでいます。選んで合うものを見つけることができたら、うまくいくのです。現に私がそうでしたから(笑)。

 

 

-コンサルを通して、sarariさんが大切にされていることはありますか。

 

「自分の嫌なことを人にはしない」ということが根本にあるのだと思います。

 

だからコンサル生の方にも、指摘よりも「褒める」ことを意識して多くしています。楽しくできるようになると数字など売り上げもついてくるというのは、経験を通じて実感しました。

根本のところを整える、という感じで接しています。

 

「否定しないこと」「褒めること」を意識しているのです。

それが結果的に「楽しさ」に繋がっている気がします。

 

 

-確かにsarariさんの文章には「受けとめる」ことと「褒めること」、そして楽しく嬉しいことが散りばめられていますよね。

 

私もそうでしたが、皆さんハンドメイドのスタートは「楽しい」だったと思うのです。

しかしどこかの段階で「売る」ことで苦しむようになることもあります。実際に私もそうだったのでよくわかります。

 

そこで「楽しさ」をもう1回見出してもらえたらいいな、と思ってコンサル生の方とやり取りしています。

 

「ハンドメイドで何がしたいのか」

「なぜその素材を使っているのか」など、その人その人の根元にある想いを再確認して活かせるようにお話させてもらっています。

 

私のコンサルは、魅力を見つけ、磨き、さらに輝かせることを大切にしています。

 

 

 

【ハンドメイド作家へのきっかけ】

 

-そもそも、sarariさん自身はどんなきっかけでハンドメイド作家となられたのですか。

 

昔の私は自分の意志というものがありませんでした。

親の言うことが100%正しいという家庭で育ち、自分の意見というものがどこにあるのかわからなくなってしまっていました。

何が好きで何をしたらいいのか、わからなくなってしまっていたのです。

 

そんな中でもハンドメイド作品は、見ることも買うことも好きでした。

買って集めて、身につけて楽しんでいました。次第に材料を売っているお店に行ったりするようになり、当時一人暮らしで時間もあったことから作り始めました。

ところが作るのは楽しいけれど自分では使わなかったため、どんどん溜まっていき、再び買う専門に戻りました。

 

 

-そこから再び作り始めるようになった。

 

仕事は激務が続き、身体を壊して辞めることになりました。

その後新たな仕事を探そうと思い転職活動をしていたのですが、うつ病が再発し夫と相談して転職活動も止めました。

うつ病の治療に専念しつつ、主婦として生活するようになりました。

 

しっかり治療をして少しずつうつ病が良くなっていった頃、「自分で使うお金くらいは自分で稼ぎたい」と思いが芽生えるようになり、再びハンドメイドを始めました。

 

「Drops」

 

ハンドメイドを再開して半年はうつ病の薬を飲んでいました。そして薬を飲まなくてもよくなってからの次の半年は、メンタルの立て直しに集中しました。

 

その結果やっと心が安定し、「楽しい」にシフトすることができました。

「楽しんで稼いでいく」という方向に意識を向けるようになったのもこの頃です。

 

私は「ハンドメイドをしている人になりたい」と思っていました。

 

そして今は「ハンドメイドを生業にするのを目指している人」ですね。まだ目指したい先があります。

 

 

 

【自分として生きる。そして、好きだと感じ取ることから始める】

 

-sarariさん自身うつ病で辛い思いをしたからこその、その在り方なのでしょうか。

 

20代半ばでうつ病になり「生きづらい」と感じるようになりました。その時に「親や世間の目」「こうあるべき」という考えになっていたから、生きづらいのだと気づいたのです。

 

「自分として生きたい」と思いました。

 

 

そして自分を変えたいと思って本を読んでいた頃、1冊の本(※)に出会いました。

いつもなら手に取らないような本でしたが、それを本屋で見たとき雷に打たれたような衝撃がありました。

「自分と全く違う。180度違う。」そう感じました。

「この人は何を言っているんだ?」「こんな人生を生きている人がいるのか!?」と思いました。(※宮本 佳実さんの「可愛いままで年収1000万円」)

 

 

-それほどの衝撃を受けたのですね。

 

それから私は「小さなことでもいいから、好きかな?と感じ取る」ことから、新たにスタートしました。

 

そして、先ほどの本を買う、ということから始めました。

でも最初は恥ずかしくて読めなかったし、買っても家族に見つからないように隠したりしていました(笑)。

 

それでも本を読み進め、少しずつ自分の好きなものについても「そういえば、ワンピース好きだったなぁ」「天然石も好きだったなぁ」と思い出せるようになってきました。

 

 

-そうだったんですね。少しずつ取り戻していったんですね。

 

ずっと自分の感情、感覚に蓋をしていたんでしょうね。

今は、私の中にあった「応援していきたい」気持ちについても、出さずにはいられないのです。

私の作品を通して応援していきたい。

そして同じくハンドメイド作家さんに対しては「好きなものを好き」でいること。そして「それを表現すること」について、応援していきたいのです。

 

 

 

【アクセサリーの持つ「意味」を纏わせて】

 

-sarariさんのサイトには、素敵な作品名と作品紹介の言葉が必ず載っていますよね。

 

私は作品を介して伝えたいことがあります。

アクセサリーの持つ「意味」、天然石自身が持つ「意味」。

それを言葉に乗せて、「がんばりすぎなくていいんだよ」「リラックスしていいんだよ」と伝えたいのです。

 

「cosmos」

 

 

-お客様からはどんな反応がありますか。

 

気持ちの変化についての感想をいただくことが多いですね。

「力が湧いてくるような感じがします」

「(作品の)ネーミング気に入りました!」

「付けていると気持ちが穏やかでいられる」などの嬉しい声をいただいています。

 

 

-そして作品そのものもですが、お客様の声には「丁寧な対応をしていただき」と書かれていることが多くて、sarariさんの誠実さが伝わってくる気がしました。

 

嬉しいです。

通販という形を取っていることが多いので(注:現在はハンドメイド通販Creemaと、Thingsly横浜みなとみらい店で委託販売をされている)、直接お客様の顔を見ることはできないのですが、目の前で接客をしているように接することができたら、と思っています。

 

 

-作品自体はどのように作られるのですか。

 

天然石を用いて、色はゴールドで統一しています。

この路線は最初からずっと変わっていません。

ゴールドを使うのは、単純にシルバーだと作る気がしなくてゴールドだと作りたいなと思えるからです(笑)。

この「作りたい」という気持ち。これは私の中でとても大切にしているものです。

 

作るときには目の前に天然石を並べて「この子とこの子が似合うな」「この子は1つの方がいいな」と、感覚で組み合わせていきます。

 

作り上げた作品を改めて見て、似合う名前を付けて、それからイメージを文章にして紹介文を作ります。

 

 

-作品に付けられる名前、そして紹介文。これがとても素敵で作品の世界をより深く広く表現されているように思っています。

 

実は以前は「この色のアクセサリーはこんな服に似合いますよ」といった感じで紹介文を書いていたのです。

ノウハウやセオリーにしがみついていた感じでした。

 

奥「Freedom」   手前「HAPPY!」

 

 

でもここでも「楽しんじゃおう!」と思って、セオリーではないけれど思ったことを言おうと思って紹介文を書くことに決めました。

 

紹介文を考えるときは、頭の後ろ側が動く気がして、そしてイメージが鳩尾の辺りから言葉として挙がってくるのを書く、という感じです。

 

「感覚を言葉に変換する」と言ったらいいでしょうか。

 

そして私の「楽しい」から出てきたエネルギーを元に、アクセサリーを通して「応援」していきたい。そう思っています。

 

 

SHOP(Creema):https://www.creema.jp/creator/803001

委託販売(hingsly横浜みなとみらい店):

https://www.minatomirai-square.com/sp/floor/detail.php?id=259

note:https://note.com/sarari_amulet

Twitter:https://twitter.com/swindler_sheep

 

 

 

*    * *

 

sarariさんのアクセサリーは付けていると心地いいし、自分の力が内からそっと湧いてくる感覚がある。

そして付けていることが嬉しくなる。

アクセサリーと、そこに使われている天然石と、そして添えられている「言葉」。その全てが私自身の一番素敵な部分を引き出してくれるようなのだ。

 

(sarariさんのプロフィールより)

私はアクセサリーの
「意味」も「美しさ」も
欲張りに追い求めて、
今日も制作をしています。

 

 

こんな想いの乗ったアクセサリーを身につけるしあわせ。

ぜひ多くの人に感じてほしい。