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ことのはの色彩

その人の存在をことほぎ、その人の美しさ素晴らしさを「インタビュー記事」や「その人の色」で伝えていく”コトノハニスト いのうえいほこ”のブログです。

変化が目まぐるしい2020年。

昨年お話を聴かせてもらったせいちゃん。1年以上が経ち、今の心境を語ってもらう機会を得た。

せいちゃんの真ん中にある「ふと出てくる感覚をキャッチし、表現する」という軸となる部分はそのままに。あれから変わったこと変わらないことについて、そして最近感じていることについてお話を伺った。

                         

 

 

「いい、悪い、ではなく自分はどうするの?」を問い続けた

 

この新型コロナウイルス流行の影響で、職場の働き方も大きな変化があったというせいちゃん。徐々に以前のように仕事をする部分と、これまでとは大きく変わった部分がある。

 

変わったのは、新たに一緒に働く人が増えたこと。そこで感情を揺さぶられる経験をする。

 

今までは違和感なくやれた対応が、今回は「これが自分のやり方か?」と考えると混乱し、何かを悪者にして自分の正しさを証明しようとしていることに気づいたという。

 

そこで「いい、悪いではなく自分はどうするの?」を問い続け、結果的に「理解されなくても言わないといけないことは言う」と決めた、という。

 

そうやって小さなことから決めて、新しいスタイルで職場も再スタートした。

 

一方でプライベートでは、自分がやりたいと思っていた「カードセッション」についても考え始めていた。

しかしセッション時間や料金を考え始めると、それに踏み切れない自分を感じ葛藤を覚えていた。

 

 

(Sei’s voice)

今1番わたしが在りたい姿を象徴していると感じた3枚。 

それを意図して引いたものではなく、毎日引いているもの。

最近、特にその辺りがカードで明確になっている気がする。

 

 

 

「毎日、自分に問いかけること」

せいちゃんは自分自身でも毎朝何かしらのカードを引いて、そのとき感じたこと、自分の中から出てきたことをFacebookでシェアしている

使うカードは数種類あるが、魔法の質問カードは必ず毎日引いている。

カードを引くこと。これはもう1年半も続けてきたことだ。

 

そんな中、最近これまでと少し違った感覚を持っているそう。

 

(Sei’s voice)

旅先での1枚。何気なく撮ったもの。

最近何となくこの形が気になっている。

 
 

「自分が自分の人生を創っていると自覚し始めた」

(Sei’s voice)

グループで京都に旅した時のもの。

わたしにとっては少しチャレンジの旅でした。

何気なく友人が撮ってくれたこの写真を見て、

あ〜わたしはほんとにこのままでいいんだと何故か確信した1枚。

 

 

これまではなんとなく思い描いていたが、自発的に意識し始めたことがある。それはカードを引く前に

「今日、自分の人生がどう展開しますか?」と自らに問いかけるのだという。

そして引いたカードを見て「ここから描くストーリーは何ですか?」とさらに感じてみる。

 

毎朝毎朝、新しい1日を始めると意識してカードを引く。

 

例えば昨日嫌なことがあったとする。これまでは、当然のように嫌なことがあった昨日の続きとして今日があると思っていたけれど、「本当にそうなのか?続いているのか?」と疑いを持って見てみたのだそう。

 

続いている、という考えから切り離してみる。

 

昨日あった嫌なこと。それはクリアしないといけないし、クリアできなかったらできない自分はダメだと思っていた。

でも相手がいることだったり、全てを消化できるわけでもない。本当に仕方がないということ、クリアしていかないといけないことならば形や人を変えて何度でも出てくるだろうから、方向を一旦変えて「今から新しく始める」ということに意識を向けるようにしてみたのだ。
 
 
 

「一方で、抱えている葛藤」

カードを使って、様々に自分を表現し受けとめることを続けているせいちゃん。

 

自分に対して使っているカードを、誰かのために。カードセッションを対面で、1対1でしてみようと思っているのだそう。

 

(Sei’s voice)

1年前、その時のわたしを表す言葉が「月」でした。 

思うように書けず悶絶したのだけど、

すべての作品を並べた時どれもがすごく愛おしくて。 

どんな自分もまるごとオッケーなんだと思えた瞬間。

 

 

しかし、ここで怖い気持ちが出てくると言う。

それは、

「カードを持たない自分は必要とされないんじゃないか?」という想い。

本当はカードがなくても「会いたい」「話したい」と思ってもらいたい。

 

その根本には、

「何も持たない自分だけれども、それでいいんですよ」と自らで認めたい。そういう気持ちがあることに気づいたのだ、と。

 

そもそもカードは「好きだから」という理由で選んだ「ツール」。

それを使って、

「カードを見ている人が自分自身に向き合っているのを共有したい」

「内側に目を向けているのを、ただただ横で見ていたい」その想いが自然と溢れてきた。

その際、せいちゃん自身も自分に向き合い、空間全体を見て感じて、空気を感じる。

その時間が堪らなく豊かだと感じるのだという。

 

 

 

「今起こっていることがベストだということを信頼する」

 

嫌なこと、そこから出てくる嫌な気持ち。

「その奥には本当に自分が知りたいものがある」せいちゃんは言い切る。

 

今までは嫌なことがあっても怒りを出すことを封印していた。感じないふりをして抑え込んでいた。

そして、後から「相手にこう言えば良かった」ということよりも、自分の感情を出さなかったことに対する違和感が出てくるのをふつふつと覚えていたのだそう。

 

(Sei’s voice)

何度も創らせてもらっている糸かけ。1年ぶりに創った作品。

釘を打つ、色糸を選ぶ、糸を掛ける、そのすべてを味わう時間が好き。

 

 

それは「この気持ちがある!ってわかっているのに出さない」違和感だったのだと。

それを出すようにした。

 

具体的には

①    相手にぶつけてみる

②    アートとして表現する

③    言葉になっていないモヤモヤはボールペンでぐるぐるを描く

④    緊張している体の部分を解す

 

出来事と感情を切りわけて、身体に残っているものを解放する。そんなイメージ。

 

ずっとずっと「嫌な気持ち」をどうしていいかわからなかった。

その人の一部分を見て、「こういう人だ」と思って、嫌な人だと決めつけていた。その他の部分での接触を避けていた。そういったことへの違和感もあったのだそう。

 

嫌な人が目の前に現れたら、自分が傷つかないように拒絶してしまう。

でも人と繋がりたいという私の奥から湧いてくる強い想いと拒絶は真逆のものだ、ということに気づいたと、語るせいちゃん。

 

そして、ここでせいちゃんの表現したい、創造したいものに繋がる。

 

 

 

「カードを使ってやりたいこと」

(Sei’s voice)

気温によって変化する結晶を見ていると

自分も日々変化しているのかなと感じられる。 

外の景色とのコラボが愉しい。

 
 
ここからはせいちゃん自身の言葉でお伝えする。
 

せいちゃん:

モノや自然はいつも素で、ニュートラルだ。こっちが開けば確実に繋がれる。

でも人はそううまくいかない。

けれど相手がどんな人であれ、どんな状態であれ、自分は100%開いているのが私の理想の状態。

それが今この瞬間を生きている、ということになる。

 

 

自分が緩んでいる。どんな状態の自分もゆるせている。

それが常にベストだという状態。そうなれたらそれでOKだと思っている。

 

そして目の前の人だけに集中せず、その人を含めた空間を感じているのが、空間にただ寛いでいるのが心地よい。

言葉になっているものも、なっていないものも受け取って、人も空間も寛いでいる。

 

素のその人のあり方が勝手に出来上がってしまう空間を創る。

 

その瞬間にその人が。

それこそが、私がカードを使ってやりたいこと。
 
 

(Sei’s voice)

何となく浮かんだキーワードを元に創ったコーナー。 バラバラに集めた好きなものたちが、その時々でコラボし合って違うものを表現してくれるのが愉しい。 今持っているものだけで大丈夫だと思わせてくれる。

 

 

「出てくるものにいい、悪いはない」

せいちゃん:

カードを引いて、見て、その人がその時に感じたことをそのまま出すことができたらいい。

いいことだけじゃなくて、見た瞬間に生まれてしまったものを出せばいい。

私はそこのお手伝いはできる。

 

(Sei’s voice)

わたしの核となるアイテムのウサギさん。 

何か乗り物ないかな?と思って入れてみたら

めっちゃ喜んでる感じがした。

 

言葉でなくてもいい。

呻き声でも、ため息でもいいから出して。

知ることができるから。

それがきっかけになるから。

そして絶対出さなきゃいけないものでもない。

 

わたしはカードに映し出されるその人の「光」を見ている。

それはその奥にある「闇」を同時に捉えているからこそ、はっきりと見えるもの。

 

全部ひっくるめたその存在を慈しみ、愛でることができたらほんとうにしあわせ。

 
 

「時間を共同創造したい」

様々な言葉で語られ、さらにせいちゃんの想いはどんどん溢れてくる。

 

自分が毎日カードを引いてFacebookなどにアップしているのは、記録のためとアウトプットしたいという欲望を叶えるため、だと言う。

反応があってもなくても、人の目に触れるということが、今のせいちゃんにとって大事なのだそうだ。

 

(Sei’s voice)

姪っ子の結婚式で花の種が入った風船を飛ばした。

 希望を見た気がした。

 

そして今は自分で引いてアウトプットしているカードだけれども、それを時間を共同創造したい人とやっていきたい。そう力強く語ってくれた。

 

「一人では見えないところまで一緒に見にいきませんか」

「違う視点からの言葉を出しませんか」

「ただ黙っているだけでも、そこで一緒に時間を共有することでそこに携わる人の感度が上がるから」

ということだそうだ。

 

 

 

 

せいちゃんと一緒に創り出す時間は何が起こるかワクワクしてしまう。とても楽しそうだ。

ただ自分をそのままに出せる空間、時間。それはどんな心地がするのだろう。体験してみたくなる。

 

2020年10月14日