桜田門外ノ変を読み終えました。




先月、東北の幕末維新を読んだとき
徳川慶喜のことについて
丁寧に学んでみようと思い、先ず手始めに
この本を選びました。



幕末動乱期
天下志士の先駆けとなった水戸藩士

徐々にその勢いは削がれて
長州や薩摩が中央に躍り出るけれど

その理由や
当時の水戸藩士達の苦悩を
少し垣間見ることができた気がしています。



物語は、藩内部の闘争に
隠居を命じられた斉昭の一派が勝ったところから
始まります。

けれどようやくこれからという時に
老中阿部正弘が亡くなり

井伊直弼による水戸家への弾圧がはじまり…
という形で
テンポよく進んでいきます。



井伊直弼という人物を改めて考えたとき
幕府の寿命を著しく縮めてしまったのだなぁ!
と思いました。


公卿や
尾張、一橋、松平など
御三家、御三卿、譜代まで厳しく取り扱う姿勢に

先に社会の秩序を乱したのは
やはり井伊なのだと感じたし

橋本左内や梅田雲浜、吉田松陰ら国を想う知識人が
数多く殺されたことも許しがたくて…
 

暗殺は思想を力でねじ伏せるので大嫌いだけど
そら襲撃したなるわ!

と思わず思っちゃいました(^.^;



主人公の関鉄之介は、桜田門外の指揮を取り
その後は潜伏生活をしながら
病とも闘い
再び国のために働く機会を待ちますが

斉昭が桜田門外ノ変から半年後に亡くなり
類似の事件が起きたことで
再び包囲網が厳しくなり…

だんだん追い詰められていくその描写が
哀しくて憐れでした。

天下志士の行く先は本当に過酷です。




それにしても、女性目線で主人公関鉄之介を見た時
一つだけ許せない点があります。

妾であった滝本いのに対する態度です。

いのは、桜田門外ノ変に協力したとして
牢に入れられ拷問死するんです。

妻子には咎が及ばないよう配慮しているのに
妾はどうでもよかったのか!と
腹が立ちます。


清河八郎の愛妻 お蓮も
牢に入れられて亡くなっているし

女性にそんな死に方をさせるなんて
それでは第一等の人物とはいえないなぁ!
って思ったりします。



ちょっと話が
かわってきちゃいましたが…

徳川慶喜の立場や思想形成を理解するうえで
とても興味深い本でした。






この前、文具女子博で購入した日付スタンプ

読み終えた本に日付を刻印するのが楽しくて
読書が進みそうです♡