実は、6月7日の夜に心筋梗塞を発症しました。

最寄りの駅で倒れてしまい、以前勤務していた病院に救急搬送されました。

 

すぐに心臓のカテーテル治療になりました。

もともと私は放射線科医でしたので、カテーテルを用いた治療はよく行っていました。

しかし、治療を受けることは初めてでしたのでとても不安でした。

右手首の動脈からカテーテルが挿入され、心臓を栄養している冠動脈まで進められます。

 

 

当然、意識はしっかりしています。

モニター越しに自分の血管が映し出されていましたが、

斜めになっていたのでよく見えませんでした。

 

治療をしている先生や上司の先生たちの声が聞こえてきます。

循環器は専門でありませんので、飛び交っている言葉の半分くらいしか理解できません。

「結構、詰まっているな」とか「ここも閉塞している」とか、

「圧かけてみて」「6でいきます」とかです。

 

胸の痛みは右手の痛みもあり、

悪いことが起きているのではないだろうか、

いつまで続くんだろうか、

と本当に不安になりました。

 

そのときです。

私の隣にいてくださった看護師さんが、こんなことを言ったのです。

 

「順調ですよ!」

 

この一言で、心身ともにリラックスできたのです。

なんてありがたい言薬(ことぐすり)なんだろうかと、本当にうれしくなりました。

 

今起きていることを実況中継してもられることは、

治療やケアを受ける身としては本当に助かります。

 

幸い治療はうまくいき、症状も緩和されました。

そのまま集中治療室に運ばれ、30時間の安静を強いられるとは思ってもみませんでしたが・・・。

 

このブログも病室で書いています。

先が見えずに不安の真っ只中にいる人にとっては、一筋の光となるこの言薬を忘れないようにしようと思いました。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

 

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