10年前、 二人は出逢った。
ある団体の主催する ボランティア会場の夜
幾つもある仕事内容、曜日、時間・・・
すべて、同じものを選んだ まだ見ぬふたり。
二人の時が満ち、シンクロの波動が 作動し始めた・・・
この日を境に、エネルギーは大きくシフトし、魂を揺り動かす 運命の道が開かれた。
そんなことを知らない二人は、
導かれるままに、一所へと 結ばれた。
そして、 言葉を交わすことなく、仕事が始まった。
外国人に見える彼に 「彼は日本人だわ・・・」 と、直感で悟った彼女は、
挨拶しようとしたけれど、彼の方は 一向に目を合わせない。
「無愛想ね~ ま、いっか・・・タイミングが合った時で・・・」
彼女はそう呟いた。
遠目に彼女を初めて見た彼は、 「日本人のようだなぁ・・・」 と感じながら、目を合わすことを恥じらった。
他のボランティア達と共に、せっせと同じ空間で、同じ仕事を続けた二人。
時にすれ違い、時に近寄りながら。
人気がなくなる最後まで、一生懸命に働いた二人は、
帰る間際、休憩所で一緒になった。
水を飲んで一息したら、
互いの存在を 自然に受け入れる如く 見えないベールが開いた・・・
終わりの 「お疲れ様!」 と 始まりの 「初めまして!」 が注ぎ込む
過去から 未来へと続く
永遠なる 「よろしくおねがいします」 の 始まりの・・・