ボクは
ここんちのご主人
「ユキコさん」に
愛されている
黒猫の「王子」
ユキコさんの日常に起こる
悲喜こもごもの
小さな出来事を
一緒に見つけて綴っている
そして
その小さな出来事の
積み重ねを
ユキコさんのかけがえのない
幸せにつないでいく
お手伝いをしているんだニャン
今日もよろしくニャン
王子 ただいまー!!
ニャ!!
この声は もしかして・・・
息子君だニャ
久しぶりに家族が揃ったニャン
ユキコさんのお父さんの
三回忌の法要に合わせて
彼の地から帰省してきたんだ
これからお寺さんに行くんだニャ
息子君 お帰り~
三回忌の法要
それは故人を偲ぶだけでなく
故人
そして自分のルーツに
感謝すること
と同時に
自分が
生かされていることに
気づくこと
自分の命は
遠い遠いご先祖様から
つながっていて
誰か一人でも欠けていたら
この世に存在しなかった
心臓の鼓動が
それを伝えている
そう
和尚さんから
お話があった
ユキコさんは
自分の胸に手を当ててみた
手のひらに
心臓の鼓動が伝わってくる
そうだ
家族全員の
心臓の音を聞いてみよう
ニャに?心臓の音を聞くだと? どうやって聞くニャン?
ユキコさんは
聴診器を持ってきて
みんなの
心臓の音を聞いてみた
ニャニャ こ、こ、これで心臓の音を聞く・・・とニャ
息子君の心臓の音は
ドコン ドコン ドコン ドコン
ダンナさんの心臓の音は
ドコドォーン ドコドォーン ドコドォーン
ユキコさんの心臓の音は
ドコ ドコ ドコ ドコ ドコ ドコ ドコ ドコ
そして
ボクの心臓の音は
タカタカタカタカタカタカタカタカタカタカ
ちょっと緊張するニャン
聞こえた心臓の音は
一人ひとりが奏でる
命の音
そう
ユキコさんは思った
そして
ご先祖様はじめ
そこに関わった
すべての命の音が
いろんな音色を
奏でながら
次の世代へと
つないでくれた
そこには
どうにもならない
苦しみもあったはず
でも
奏でることを
止めることなく
ユキコさんたちに
つないでくれた
生きろ と・・・
ボクは
法要とは
実は
ご先祖様たちの
全ての命の音が
楽器となって
見守っているよ
大丈夫だよ と
ユキコさんたちのために
開いてくれるコンサート
そこで奏でられた
全ての命の音色が
ユキコさんたちへの
応援歌になっている
そう思うニャン
命の音が聞こえるニャン
心臓の鼓動
それはご先祖様からの応援歌
家族で命の音を聞く
そんなユキコさん家族は
幸せだニャ〜
サンクス ご先祖様
黒猫王子🐈
今日も最後までお読みいただき
ありがとうございました。