NSG-XX オルトロス(ORTHROS)
NSG-X1フレズヴェルクの亜種。飛行形態時の機首形状から、「双頭の犬」を意味するオルトロスと命名される。
機体バランスや性能から、フレズヴェルクより前に開発された試作タイプとみられている。
一際目を引くゴールドのフレームは、宇宙空間における機体の熱交換効率を上げるための特別仕様である。
ゴールドフレームによって破格の出力を得た本機は、過剰な武装にもかかわらず高い運動性を持つに至った
(コストあるいは技術的な問題からか、制式機では見送られた模様)。
ただしTCSオシレータが未実装であるため、地上での飛行は不可となっている。
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こんにちは、柚木です。
本日は前回に引き続き電撃ホビーマガジン5月号に掲載されたFA作例の2点目、吉井雅之氏製作の
「NSG-XX オルトロス」(フレズヴェルク改造)を紹介します!
実は本作例、本来私が製作する予定だったのですが、同時期に輝鎚の完成品製作が舞い込んできてしまい、
途方に暮れた柚木は元開発チームだった吉井氏にピンチヒッターをお願い(というか泣きついた)したのでした…
後あと聞くとスケジュール的にかなり無茶振りだったようですが(吉井さんゴメンナサイ!)、
柚木的には仕上げのセンスと圧倒的製作スピードを持った吉井氏の作品を是非皆さんに見ていただき、
FA…というか模型製作の可能性を感じていただきたいと常々思っておりましたので、今回このように紹介する
ことが出来てよかったと思います。
製作期間1週間(!)で製作された本作例の秘儀、とくとご覧いただきたく思います!
………
初めまして。壽屋商品管理課の吉井雅之と申します。
今回「俺ズヴェルクカラーリングコンテスト」に先駆けて作例を作らせていただきました。
普段は商品管理課で開発管理をしているのですが、FAブログでおなじみの柚木君から製作を頼まれて
安請け合いしてしまったのが運の尽き!!
依頼された時点で、納品まで一ヶ月!(しかも一ヶ月後には中国出張が…)、しかしまあ1週間もあれば何とか
なるだろうと、雑誌作例の経験もないのにいつもの感覚でスケジュール立てをしてしまったのでした。
結果納品ギリギリまで作業に追われることに…
原型師でもない普通のサラリーマンですので、造りの粗さは大目にみて下さいね。
●製作開始
ということで、締め切り1週間前の月曜から仮組みを開始。
柚木君からは「色替えだけでいいですよ」と言われていたのですが、せっかくなので自社製品もアピールして
おこう(^^)と思い立ち、近所の模型店で買ってきたMSGウェポンのガトリングガンを2個、肩にくっつけて
みました。
↑肩のブースターとカバーの間に挟まる感じで設置。接着は木工用エポキシパテを使っています。
これでだいぶ派手になりましたが、今一つインパクトに欠けているように感じたので、フレームアーキテクトの
胸部パーツと、機首になるブレード状のパーツをもう一つ使用して「ツインソード」になるようにしております。
また、フレズヴェルクは「はめ殺し(外装を挟み込むと取り外しができない構造)」になっている部分が多く、
塗装時に塗り分けの難易度が結構高めになっております。
こういう場合はいわゆる「後はめ加工」といって、はめ殺しになっているパーツを取り外しできるように、接続凹凸
を削ったりして加工するのが常套手段なのですが、形状も複雑で何より作業に時間がかかってしまうため、
ここは思い切ってパーツの合わせ目が「パネルライン」として見えるように面取りを行っています。
↑スネ中央にご注目。パーツの合わせ目が、「スジ彫り」として生まれ変わっています。
完成時に「本来存在しないはずのパーツの合わせ目が見えて興ざめ」というのを防ぎ、かつパーツを
バラバラにできるので、塗装時の塗り分け作業が格段に楽になる、という訳です(柚)。
ここまでの作業で3日が経過しておりましたので、塗装前の表面処理は使い古した耐水ペーパー240番(!)で
フィニッシュ!!おそらく普通のモデラーさんなら絶対やらないであろう禁断の荒業です。
※磨き作業は大体、丁寧にやる場合1000番前後、どんなに粗くても400番で仕上げるのが定石です(柚)。
●塗装~仕上げ
2日ほどかけて表面処理を終え、残る土日で塗装を行います。
本体色「ブライトレッド(ガイアノーツ)」、シルバー部分「スターブライトシルバー(同左)」、金部分はさらに
「クリアーイエロー(同上)」を上掛け。グレー部分は「ガンダムカラーファントムグレー(GSIクレオス)」を使用。
塗装に際し、まず全パーツを「ピュアブラック(ガイアノーツ)」で真っ黒にしてから、各色を吹き付けて発色させて
います。
ここまでは比較的順調だったのですが、ここへきて思わぬ事態が!土曜に別件の用事が入ったため、夜まで
作業ができない事態に…その日は帰宅後に速攻で作業開始し、塗装が完了したのは翌日曜の夕方。
そのままスミ入れ作業に突入し、最終的に組み上がったのが24時と本当にギリギリの完成となりました。><
明けて翌日、無事柚木君へ作例を納めた私は、晴れ晴れとした気分で中国へと旅立ったのでした…
最後になりましたが、フレームアームズは自由度が本当に高く、「こうしなければ!」といった正解がない
シリーズとなっております。
皆様も是非、自分設定の機体を作り上げFA Development Roomへ投稿してみてください。
それでは。
吉井