4年後の川の姿(定点撮影) | 寿建設 社長ブログ

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毎朝阿武隈川の土手沿いを散歩し始めて4年半になるが、最初の頃にコースの一つである渡利大橋の上から定点で写真を撮っていた時期があった。

こちらが4年前に撮ったその中の一つ。

 

そして最近同じ場所で撮った写真がこちら。4年後である。

 

比較すると分かるが、左側の岸にあった多数の木すっかりなくなって、全体的にも盤が低くなっている。

これはなぜかというと、2019年10月に発生した台風19号で阿武隈川が急激に増水し、あわや堤防を乗り越えるギリギリまで水位が上がったため、今後の対策として「河道掘削」を実施したのである。

堤防の高さを上げるのではなく、河川内の土砂を掘って外に搬出することで、水が流れる空間を広くしたのだ。

↓↓詳細は以下、国交省福島河川国道事務所のページより。

福島河川国道事務所|阿武隈川緊急治水対策プロジェクト (mlit.go.jp)

 

この左側の岸は、地域の方々の日常的な憩いの場となる水辺空間として1996年6月までに整備された「渡利水辺の楽校」でもある。

↓↓以下に説明がある通り、「みんなが憩う美しい水辺、いつまでも。ふるさとの母なる川、阿武隈川。」というコンセプトのもとで整備された箇所なのだ。

川辺づくりを支援します|水辺の楽校プロジェクト---渡利水辺の楽校| (mlit.go.jp)

 

その趣旨に賛同して私は2006年にこの場所で「川リンピック」というイベントを開催し、200名もの人がこの川辺に集った様子のを時々思い出す。(この写真はまさにこの左岸のあたり)

↓↓以下、同イベント報告ページ。川で遊ぶ姿が本当に楽しそう。ぜひご覧ください。

kawalympic.ina-ka.com/kawalympic/2006kiroku/top.htm

 

そうした場所を氾濫対策として河道掘削するという選択せざるを得なかったのだろうから、苦渋の決断だったに違いない。

国内でも自然災害が激甚化していく昨今、「利水」と「治水」のバランスは本当に難しいと思う。