今回は少女漫画原作の暁のヨナについて書いていこうと思います。
古代アジア(おそらく中国や朝鮮辺り)をモチーフにしたファンタジー作品です。
作風やストーリー展開は分かる人には分かってもらえるかと思いますが、ファイアーエムブレムシリーズに似たものがあると思います。
旅をしていき、敵を倒し、仲間を増やしていったり、仲間同士が絆を深め合ったりしたりする様がそっくりなのです。
女性向けの作品ですが、バトルシーンも豊富で見ごたえがあるので男性が観ても十分楽しめると思います。
主人公はヨナ、高華王国のただ１人の皇女です。アジア人には珍しい赤い髪と紫の瞳を持っています。
国王の１人娘として過保護なまでに大切に育てられ、城の外にはほとんど出たことがなく、やや勝気ですが無知でか弱い姫に育ちました。
幼い頃から従兄で幼馴染のスウォンに想いを寄せていましたが、いつも子供扱いされていました。
16歳の誕生日の夜にスウォンの裏切りにより父を殺されました。
父親、王位、城、愛する従兄、一夜にして全てを失ったヨナは自分の命さえも危うい状態でしたが、危機一髪のところを専属護衛官のハクに助けられて城から逃げ延びます。
初めは廃人同然だったヨナも、ハクが族長を務める風の部族の集落で休養し、生きる気力を取り戻しました。
しかし平穏は長くは続かず、スウォンが火の部族を使い、風の部族に圧力をかけてきます。
風の部族に迷惑をかけられないと判断したヨナはハクと共に旅立つ決心をします。
ヨナ達が風の部族の集落から去る時に長老ムンドクから過去に王宮から追放され、風の土地のどこかに隠れ住んでいる神官を捜すよう助言されます。
神の言葉を聞き、かつては国の政治にも大きく関わったという神官ならば、これからヨナがどう生きるべきかを神託を授けてくれるだろうと言うのです。
このまま逃げ続けるべきか、今も愛着を絶てないスウォンと立ち向かうべきか、判断がつきかねたヨナはひとまず神官を捜す旅に出ることにしました。
その途中、火の部族からの追っ手にヨナを庇ったハクが殺されかけるのを見て、ヨナはハクを守る為に初めて剣を手にしました。その際長かった髪を切り、守られるだけの姫君であることを返上する覚悟を決めました。
しかし、追い込まれた２人は、何人も踏み入れないとされている深い深い奈落の絶崖から転落してしまいます。
その後、奇跡的にも生き延びた2人は偶然にも神官イクスの元に身を寄せている少年ユンに拾われ助けられます。
運命ともいえる偶然の悪戯から遂にイクスを見い出したヨナは神託を授けられます。それは建国神話に伝わる龍神の血を引き、それぞれが特殊な能力を持つという４人の戦士を集めた時「遂に赤き龍 暁より還り給う」という謎めいたものでした。
また「このままではハク殿は死にます」「貴方が生きるということは普通に平和に暮らすのとは違う」 とイクスから告げられたヨナは、神託の真意は分からないものの、ハクや自分の命を守るために神託に賭け、ユンと共に四龍の戦士を捜す旅に出ることとなりました。
ヨナは甘やかされて育った為、国の衰退や自身が住んでいた城の事情も知らなかったのですが、ハクとの道中や四龍の戦士達との出会いを経て自身の無知を自覚し、心身ともに成長していきます。
そして自身や大切な仲間を守る為、父親が忌み嫌った武器を手にすることを決意します。特にハクから教わった弓の才能は秀でていて、日々寝る間も惜しんで特訓しています。
そんな過酷な日々を懸命に生きていくうちに、凛々しく勇ましい姿と強烈な魅力を自然と身に付けていきました。
ここで物語で重要な存在となる四龍の戦士について説明します。
高華国は赤い龍神が人となり国を成したと建国神話では語られています。その人物が緋龍王と呼ばれています。
その緋龍王が人間達に打ち滅ぼされそうになった際に天界から舞い降りた白・青・緑・黄の四体の龍により、それぞれの血を与えられた人間の戦士が四龍の戦士です。
それぞれが特殊な能力を持ち、ヨナ達の力となってくれます。
物語の説明に随分と文字数を使ってしまったので、ここで暁のヨナの見所について説明していきたいと思います。
主軸となるのはヨナの心身共に著しい成長、ヨナとハクとの関係です。
ハクはヨナと幼馴染である為、 時に分不相応な軽口を叩いてヨナをからかいますが、実は密かにヨナに好意を寄せています。身分の違いからかその想いを心に秘めていました。しかし環境が変わると共に ヨナへの秘めていた気持ちが抑えきれなくなっていましたが、主と従者でありあくまで仕事だと一線を引き、最低限の距離感を保とうと努力しています。
ヨナはハクを大切な存在だと思っていて、強く信頼していて、男性として見ているような描写もあります。
ヨナとハクの複雑な関係を応援したくなります。
物語が濃密で説明が多く、長文になってしまいましたので、この辺りで締めとしたいと思います。
ヨナの１人の少女としての悩みや葛藤、元王女としての責務、ハクとの関係、スウォンとの決着、色々と見所があります。
映画を観ているかのような壮大さとボリュームに圧倒されると思います。
特にヨナの変貌ぶりには驚かされることでしょう。
その辺りを踏まえて楽しんでいただけたら本望です。
ここまで長文を読んでいただきありがとうございました。