よかった、よかった!
最悪の投資シナリオを回避できそうです。
保有したままの金のETFが、先々週あたりから派手に暴落を始めて、先々週は下がるたびに新たに買い増ししていたのですが、暴落の嵐は静まる気配もなく、とうとう含み損が300万円に。
さすがに投資枠としている資金の残りも少なくなり、このまま含み損が膨らむのを覚悟して、下がり具合をずっと観察し始めたのですが・・・・・・
今週頭に、「うん?下げ止まった?」と判断して、残りの資金を全部、買い足しに投入。
すると、ここ数日は連日、100円の上昇を続ける暴騰となっています。
うむ、ラッキーでした。
とはいっても、まだ私の平均の取得価格は高く、損失ゼロになるにはあと160円ほど上げてもらわなくてはなりません。
何もしないでどこまで上がるか、待っていてもいいのですが(これまでは、ずっとこのパターンでした)いまの金の相場は、どこか信用できないんですよねえ。
なんというか、基本的に弱い。
今年8月くらいまでだったら、大きく下がっても、信じられない上げ幅で、1950ドルくらいまで戻したのですが、いまはそれも期待できない。(ちなみにいま金の先物は1830ドルくらいです)
これは8月くらいから、「あれ?なんだかこれまでのように上昇が力強くないな」というのを肌で感じてきた感覚です。この変化に対して、修正できなかった結果、これまで2回くらい売るタイミングの判断を間違えて、逃し、在庫を保有したまま、ひどく後悔していまに至る、というわけです。
ということなので、ここ数日の金の上昇を、基本的には、私は信用していません。
このまま、ほうって静観していれば、結局、平均取得価格まで届かず、売り時を逸して、また大規模な暴落に入っていくかもしれません。
ということで、今回は、めったにない「損切」を実施いたしました。
損切はいままで、ほとんど視野に入れませんでした。
私は会社を退職した4年前から、資産運用として投資を始めました。これまでに損切したのは一回だけ。日経225に連動した投資信託を、2万3900円で購入し、その後、株価が崩壊したとき。
しめて190万円の損失でした。
ほかの個別銘柄の株や、ほかの投資信託で利益はあがっていたので、十分にお釣りはきましたが、悔しかったですね。
いまは日経平均も、なんと2万6000円を突破し、「売らずに持っておけばよかったのに」という結論なのかもしれませんが、当時の判断としては正しかったと思っています。
いまだに続く日銀の金融緩和は、落としどころがない戦略と言う意味で異常ですし、常識として、そろそろこの異常な政策を終わらせるだろうと思ったのです。そうなれば、株価は暴落して、どこまで下がるか分からないことになります。
予想できなかったのは、当時の安倍政権、そしてその後の菅政権が、未来への責任というものを全く考えずに、目先の政策をひたすら優先できる、という非常識な人たちだった、ということです。
うーん、ここまで無責任とは、まさか思いませんよ。
おかげで、ロシアンルーレットはいまも継続していて、引き金は弾かれ続け、いまでは一人の命を奪うゲームというより、かなり死傷者の出るゲームになっている。
ということではあるけれど、やっぱり損切は気持ち的には、嫌なものです。
だけれど、今回学んだのは、計算された損切は自分の資産を守る、という教訓です。
今週初めに、暴落し続けてきた金の価格が底を打った、と思った時点で、私は自らの投資枠の残りをすべて買いに投入しました。
さて、ここで起きる問題点は何か?
このあと、さらに暴落したら、もう打つ手が何もなくなるということです。
もしくは、いまのように金の価格が連日上がったものの、平均取得価格に達しないで、その後、いままで以上の激しい暴落がやってきても、やはりただ含み損が膨らむのを見守るしかないということです。
なぜなら手持ちのお金はもうないから!
(資産の投資枠を広げて、投資を拡大していくのは破産への第一歩です)
で、本日、保有している金ETFの3分の1ほどを処分しました。
価格の上昇で、含み損はだいぶ減っていましたから、40万円ほどの損失の確定で済みました。
で、代わりに自由に投資できるお金を手に入れたわけです。
こうなると、だいぶ違います。
例えてみると、こういうことだと思います。
1対1の格闘戦を行っていて、投資資金が底をついている状態というのは、柱に縛り付けられて、相手のいいように攻撃をされるしかない、という状態です。
殴られても殴られても、こちらは防御の姿勢も、受け身もとれませんから、されるがまま。
別に実際に殴られなくても、ナイフをちらつかされただけで、精神的な恐怖が生まれます。
できることといったら、神頼み。
隕石でも落ちてきて、相手が死んでくれることでも願うしかありません。
でもね、投資資金があれば、状況は変わります。
少なくとも、相手が攻撃を仕掛けてきても、防御したり、受け身をとることができます。
なにしろ、相手は格闘技のプロで、こちらはどしろうと、というハンディがあったとしても、体の自由はきくのですから。場合によれば、砂をかけて、逃げ出すことだって可能になります。
今回、40万円の損失確定と引き換えに、取り戻した投資資金は、最悪の事態に備えるもの、つまり保険です。
最悪のシナリオというのは、今週始まった金の上昇相場がきょうで終わり、あれよあれよと、また暴落が始まって、含み損がまたどんどん膨らんでいくのを、肝を冷やして見守るしかない、というものです。
しかしここで投資資金に余力があれば、「もっともっと暴落しろ!」と暴落を応援しながら、非常に安くなった金を買い増しし、平均取得価格を下げるという防御ができます。
平均取得価格が少しでも下がったということは、次に価格が上昇したときに、処分しやすくなるということです。
これは場合によったら、利益が生まれる可能性も高くなる、ということでもあります。
私の場合、これまでの利益は十分にあるわけですから、次の暴落で平均取得価格を下げ、また上昇に転じて含み損が減少したところで、また損切をする、というのを繰り返す方法もあります。
そして本当に最悪のなかでも最悪のシナリオはこういうものです。
含み損が300万や500万、もしかしたら1000万になってしまい、おまけに金の相場の水準が戻るのはおそらくあと10年くらいはないだろう、ということになってしまった、というもの。
これはもう、どうにも手の施しようがありません。
が、投資の世界では、こんなことはざらにあるのも事実です。
もちろん、いいシナリオというのもあります。
このまま、どんどん価格が上昇し、何事もなく平均取得価格に到達し、さらに超えていく、というもの。
このシナリオの場合、今回、私は損失も計上している分、少し欲が出て、儲けを追求し、売るタイミングを逃すかもしれません。しかし、処分するチャンスを逃した後、暴落が来ても、また手持ち資金で暴落の底を探すだけのことです。
こうやっていけば、少なくとも、含み損が膨らむのを見て、何もできず、精神的にダメージを受ける、ということにはなりません。
少なくとも、柱に縛られてなぶり殺しにされる恐怖からは解放されます。
世界の金融市場には、やはり目に見えない流れがあって、それが安定しているときは、こんなことをする必要もないのですが、いまみたいに、今後どのように相場が変わるか、まったく読めない状況ではかなり重要なことなんだよな、と思っています。
投資でコンスタントに利益を上げるのに重要なことのひとつ。
いかに大きく儲けるか、よりも、損失をいかに小さく抑えるか、が重要。
そのためには、計算された損切というものが欠かせないような気がします。