さて今回も金投資のことです。
前回、金がまだまだ暴落するかも、と記して、1週間がたちましたが、まだまだ絶賛暴落中です。
これで私の含み損は300万円近くになりました。
今年これまで確定させた利益が税控除前で560万円ほどですから、儲けた分の半額がやられている計算になります。
なかなか投資は難しいのです。
これまで銀の投資でも含み損300万ということはあったのですが、そのときといまでは事情が違います。
つまり、かつては含み損が300万でも、「すぐに高騰して場合によったら利益に転じる」という予想ができた状況だったのです。
半年ほど前には、コロナ禍の被害の先行きがまったく見えず、人々の市場への疑心暗鬼が増大していて、利益はなくてもとりあえず貴金属などの安全資産にお金が流れる、というベースがあったわけです。だから精神的には不安なのですが、我慢していれば「そのうちいける!」という自信がありました。
ところが!
いまはまったくそういう状況ではありません。
投資家はみんな「一番苦しいトンネルはもう出口が見えた。時間がたてば経済は戻る。金や銀に投資していたお金はなるべく株に回そう。そうだ、ちょっとビットコインも買っておくかな」となっています。
もともと金と銀が人々の不安に煽られたバブルだったわけで、まあ、それが弾けつつある、というのが正しい見方だと思います。
さーて、こうした状況で投資家としてはどう動くか、なんですよねえ。
投資と言うのは、金融商品の転売と同じです。
安く仕入れて、高く売って、その利ザヤで稼ぐ。
いまの私の状態は、高く仕入れた商品の値段が暴落して、損している状態。
ひとつ考えられるのは、値段が下がったら商品を買い増しして、平均取得価格を下げて、また商品の価格が上がるのを待つ、ということでしょうか。
ありがたいことに、金融商品は、生鮮食品と違って、腐りません。
株なら、会社が倒産しなければ、腐って廃棄、ということはないわけです。
その前提の上で、まずはヤバイパターンを考えてみましょう。
絶対、やってはいけないと私が思っている行動です。
ヤバイ行動①さらに投資資金を拡大する!
これはいけませんね。
投資は博打と一緒ですから、負けると人間、ムキになるものです。
「資金が無限にあれば、投資は必ずもうかる」という人がいますが、それは間違っています。
いくら投資資金があっても、減るのはあっという間です。
「いま仕入れてしまった商品が高くて損が広がっているなら、追加して、いまの商品を安くたくさん買ったらあまり損はしないのではないか? しかも値段がちょっと上がればもうかるかもしれない」と考えれば、確かに、これまで投資した金額の2倍、3倍、4倍の資金を投入して、安く商品を買えば、限りなく損をする可能性は減るでしょう。それだけ平均取得価格、仕入れ値は下がるわけですから。
いまは熱湯でも、冷えた水をガンガン加えれば、すぐに温度は下がります。
しかしねえ、これはすごい危険な考え方です。
それは「相場は神のみぞ知る」だからです。
そしてどんなに投資額が莫大でも、その額は無限ではない、からです。
値段が十分下がったから、ここで勝負に出ようといったって、さらに暴落する可能性は常にあります。
そして、また資金を投入しても・・・・・・
また暴落したら。
最終的に、全資産をつぎ込んで、そこで強制的に勝負はついてしまうのです。
これはよくある、すっからかんになるまで博打して、賭けるものがなくなって賭場を去るというパターンです。逆に言えば、賭けるものがなくなるまで勝負し続ける、という最悪のパターンです。
株式では信用取引と言うのがあります。要は、よく「手を出しちゃいけない」と言われるFXです。
これは100万円しかもっていないのに、5000万とかの投資をさせてもらえる仕組みです。
へんですよね。
払えるお金がないのに、巨額のお金で博打するって。
だから負けるとすぐに自己破産、なわけです。
つまりたくさん投資できれば、儲けられるというわけではまったくありません。
私の場合だと、自分の流動資産の数割ほどを投資にあてています。
最悪、これらの資産がなくなっても、生きていくのに不安がないという額です。
もしムキになって、この枠を拡大したら・・・・・・
相当、危険なことになっている、というわけです。
ヤバイ行動②先物に手を出す
自分の持っている商品の値段が暴落し続け、含み損がどんどん増えてくると、「この暴落がもうけになったらなあ」とバカなことを夢想します。
人間というのは、限りなくバカな生き物ですから。
そして「暴落が儲けになる」という仕組みは確かにあります。
先物取引です。
「3か月後、金はいくら値を下げている」と予想して、当たればもうかる仕組みです。
しかし、これも危険ですね。
これは例えば、カジノへ行って、ルーレットでぼろ負けしたとき、ふと、ブラックジャックのテーブルが目に入ってふらふらとそこへ行き、ちょっと負けて、さらにポーカーのテーブルに行き、派手に負けて、最後はスロットマシーンに有り金を全部つぎ込むようなものです。
何を言いたいかというと、博打の種類が変わるだけで、何も変わらないということです。
ルーレットで勝てない人は、基本的にはポーカーでも勝てないものです。
それなのにいろんなゲームに手を出しても、お金を散在していくだけです。
と、こう考えてきたところで、さーて、本当にどうするか、です。
いまはひたすら金価格が暴落しているのを見続けています。
先週の初めには、価格が下落したら、新たに仕入れていたのですが、それももうやめています。
ひとつは、投資に回していい余裕資金には限りがあって、その残りを考えると仕入れるのも慎重にならざるをえないからです。
高値で仕入れてしまった商品をもっていて、効果的に平均取得価格を下げるには、新しく仕入れる商品はできるだけ安値に限ります。
ということで、いまはほったらかして、金相場がどこまで落ちるかな、というのをひたすら観察していることになります。
この問題は世界経済の先行きがどうなっていくか、にかかっています。
コロナショック以降の金の上昇は、明らかに市場経済への不安パニックから起きたバブルです。
いま、そのバブルが弾けているわけです。
しかし、一方で金はその以前からも上昇を続けていました。
これはコロナとは関係なく、米中貿易摩擦や世界経済の硬直化などの世界経済への不安から起きていました。
大統領がバイデン氏になっても、中国への警戒感はアメリカだけでなく、欧州、オーストラリアに広がっていて、このあたりの不安はいまだに消えていません。
さらにコロナショック後は、アメリカも大規模な金融緩和に乗り出し、庶民と関係のない余剰資金が市場にあふれている中で、アメリカの債券も日本の債券も金利は安いままです。
当然、株式市場にお金は流れ込みますが、基本に世界経済への不安がある以上、金の価格が数年前の水準まで落ち込むことはなさそうです。
そして、何よりもこのままコロナ禍が去っても、経済が順調に復活するかは誰にもわかりません。
ということで、いまやるべきことは、この局面で、果たして金の価格がどこで底を打つのか、を慎重に見極める作業が重要です。
しばらくほったらかして、「ああ、底を打ったな」と思えたら、残りの余剰資金をすべて金の買い入れに向かわせます。
そして場合によったら、買い入れ資金をさらに作るために、一部損切もするかもしれません。
「投資の極意は損切にあり」という言葉を聞いたことがありますが、いかに損をしないかは、いかにうまく損切をするかにかかっている部分もあるのだなあと思いました。
いまはどんどん金の価格が下がってしまって、損切をするにはあまりにも損が大きい状況に思われますが、もっと機転がきいたら、100万円ぐらいの含み損のときに半分売っておくのがよかったのだろうと考えたりします。
半分なら、損失は50万円です。
そして投資資金の余力を増やしておいて、じっくりと金価格の暴落を観察しに入る、というのがいま、考えるとベストだったかもしれません。
しかし、これもみんなタラ、レバの話なわけで、投資資金の余力があったらあったで、たいした値下がりでもない局面で、割と高い仕入れにすべて使ってしまったかもしれません。
資産の投資って、本当、商売と同じです。
なかなか簡単に濡れ手に粟、というわけにはいかないんです。
とにかくいまは、「おっ!金がいつの間にかこんなに下がって、安いじゃん。買っておこう!」と思う人がたくさん増えるレベルにまで、しっかり金価格が大暴落してくれることを願っています。
そうすればまた上がりますからね!