#マジョリカお召し復刻計画

昭和30年代後半に4年間だけ作られたマジョリカお召し。
似たラメ入りの着物はリサイクルで沢山あれどどれも小さくてバリバリゴワゴワ。
柄もマジョリカ陶器のような柄からボタニカル、洋柄は様々ですが一様に
「撚糸とラメ入りの着物」が欲しい!と思い続け

早十数年。
本物は2枚だけ入手したことがあり、

1枚は細かいシャンデリア柄が気に入って勢いで購入したもののサイズが極小だったのと白地に濃いシミが点々と浮き出て着られる状態ではなく何となく処分してしまい、
もう一枚はモダン柄で大叔母から頂いたのだけれど状態が悪くこちらも泣く泣く処分。

なんとなくラメ入り着物やマジョリカお召しに近いものがあると収集し気持ちを誤魔化すことはや数年。
ひょんなご縁から桐生市の織元さんにお願いすることが出来、マジョリカお召しを作りたいという希望を叶えて頂くことが出来ました✨

復刻実現の前に、マジョリカお召しは昭和の大人気商品であったのに何故誰も織らないのか?

まずは
・反物の横幅サイズの織り機が現存しない

・ラメ反物を作っても呉服店では染めが主流の為、普段着としての販路がない

・織り機があっても絹の撚糸自体が入手が困難&超高額なこと

そして1番の課題が

・当時と同じ手法で織り上げると概算で一反数十万〜ほどになり、気軽に普段着物としてラメ入り着物を着たいユーザー層には入手しづらい

などなど…
作れたとしても「個人の趣味の範囲」で、
現段階での市場に出回るまでには壁が多くとても実現できない状況でした。

今回は織元さんと何度も打ち合わせを重ねて
当時の技術にリスペクトを置きつつ、全く同じ複製ではないが令和の技術をフル活用し

・バリバリしない
・適度なラメ感
・普段着物として着やすいデザイン
・着物として仕立てやすい生地
で制作していただきました。

柄に関しては私の手持ちのマジョリカ着物や、他に市販されてきた柄と全く同じに複製はせず敢えて現代に合わせた柄でお願いしました。

いくら失われた技術といっても十日町で大切に育まれた当時の先人の方々のデザインや生地の質感、
大元へのリスペクトを欠いた丸々コピーの着物には仕上げたく無かったので
そこは織元さんにお願いし、色と柄は完全オリジナルデザインをお願いしました。

柄の色はどなたにも肌馴染みの良いものを目指して
地色は黒すぎない墨色、柄は淡色から暗すぎないカラーで。

お休みにも関わらず社長さん自ら試織をして下さり、サンプル織り上がり!
初めて実物を見た時には涙が出るほど感動しました!




生地の質感と柄やラメを何パターンも織ってくださったので、
ここから、生地を見ながら質感とラメの出方、柄の色を再々確認していただき
糸を取り寄せ、正織に入ります。




私はどうしても翌週のキモノアドレ仙台でお披露目したかった為、かなり無理なスケジュールで織り上げて下さり感謝の念に耐えません😢

そうして織り上がった生地!



ラメの出方も、柄の表現も全てが令和の時代に生まれ変わり尚且つ寿喜堂オリジナル着物生地として誕生させていたしました✨

「本物」が欲しい方からするとやはり少し違うものかもしれません。。。

(縦糸に撚糸を使用していない為、お召しと呼ぶのも憚られます)

が、
マジョリカお召しに憧れ続けてきた十数年の想いを昇華させるには充分なお品だと私個人は大満足しております!

なんといっても
・濡れてもお手入れしやすく
・リアルクローズでも悪目立ちせず
・ゴワゴワせず
・お求めやすい金額の範囲

でご提供できる現段階では努力の結晶となりました💎
今後は織元さんのスケジュールもありますが
・念願のホワイト(アイボリー)パステル系
・真っ黒地色にヴィヴィッド系

と展開予定です✨(予定は時期未定です)

私個人の自己満足で終わらせることなく、
着物好きな皆さまに手に取って見ていただけるよう、サンプル生地の発送やご質問など随時受付中です。

また、販売名称は温故知新の結晶のような「着物」にしたいと【ルミナスキモノ】と名づけました。
ルミナス=輝くという意味です。

まだまだ始まったばかりの
#マジョリカお召し復刻計画
は今後も新たな展開でお披露目予定です。
どうぞお楽しみに✨